『滋賀の百祭 [正]』によりますと、祭礼日は「1月2・3日」で、概要は「(前略)この宮は大津市坂本の日吉大社の末社で、平安の昔から黄和田の村人の敬尊を集めているといわれているが、例年、正月二日から三日にかけて五穀豊穣の祈願をこめて「ちん」の祭事が執り行われる。(中略)この神事の秀逸はなんといっても、この「ちん」と呼ばれる十四種の動植物を模した餅菓子(こねた米粉で団子をつくり、これを忌火で温めた油で唐揚げにする)を、村の若衆の名において氏子総代を通じて献上される仕儀である。カイコのような多数の「ちん」餅は子イヌを模して百二十個作られ、神事の終わる三日に氏子に配られる。ただし、イノシシの「ちん」餅は神主がもらい、オコゼは七日まで山の神に供えられる。その他、メインになる十四種の「ちん」餅はいずれも二対のみに限られ、山の神、日枝のご祭神や神主に配られて供えられるもので、サルあり、ヒヨドリあり、カメあり、キクあり、ビワの葉ありで、まことに多彩である。(中略) なお、三日朝からは二メートル余りの注連縄(しめなわ)が作られ、それにしきび十三個がつけられる。このしきびは全部で二十三個作られ、残りは本殿、玉垣、井戸、山の神に供えられる。」とあります。
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