『滋賀の百祭 [正]』によりますと、祭礼日は「12月31日」で、概要は「千二百年余の法灯と歴史に生きる延暦寺の鬼追式は、宗祖伝教大師が五穀豊穣を祈願するなかで生まれた催物で、庶民の除災招福を念じた衆生会である。毎年、大晦日の十二月三十一日に根本中堂の前庭で、鬼の面をかぶった若僧が三匹の鬼婆に扮し、その乱行を法力でもって調伏させようとする行事である。人間の貪瞋痴(とんじんち)(人間の強欲と、憤怒や不平、不満の愚かしさ)を平伏して善なるものを誘(いざな)い、新たな年を迎えようとするものである。参拝の善男善女には、やがて大僧正自らによって除災招福の牛王の印がその額に押される。あるいは、手ずから紙に印されたものを渡される。こうして更けゆく大晦日の夜は、大講堂の除夜の鐘とともに興奮の衆生会が終わるのである。」とあります。
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