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滋賀県という県名の由来を知りたい。特に、なぜ「志賀」ではなく「滋賀」の字が使われたか。また、「シガ」という名称は何かを意味しているのか。石の多い場所という意味であると聞いたことがあるのだが。(滋賀県立図書館)

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1.滋賀県という県名の由来と「滋賀」の字の使用について 『角川日本地名大辞典 25』によりますと、「〔県名の由来〕滋賀郡の滋賀からきており、さざなみの志賀に通じるところから採用されたと思われるが、確実な史料はない。」とあります。また、『志賀町史 第1巻』によりますと、「「滋賀郡」の表記は、古代以来行政上の用例として主流であったものをうけついでいるのであり、それが県名にもなったのは、明治維新期の動きのなかで、明治五年(一八七三)一月、前年に諸藩が合併して成立していた大津県の役所、滋賀郡大津町にあったことから、滋賀県と改称したことに始まる。」とあります。なお、文中の「明治五年(一八七三)一月」は「明治五年(一八七二)一月」の誤植です。 2.「志賀」もしくは「滋賀」の字の意味について 『志賀町史 第1巻』によりますと、「「しが」または「しか」という郡名は、元来「音」で伝承された小地名ないし地域名であったと考えられ、漢字は中国文化の導入以後に、通音によって適宜あてたものであるから、さまざまな用例がある。『万葉集』は文学作品であるためもあろうが、「しが」の地名表記はより多彩で、「志賀」「志我」をはじめとして、「之加」「之賀」「思賀」「思香」「思我」「四可」「四賀」「然」など千差万別である。『万葉集』に「滋賀」の用例が見られず、六国史(りっこくし)などの正史上でも平安時代になって使用が安定する傾向が読み取れることから判断して、むしろ「滋賀」が用いられるのは新しい部類に属するようである。」とあります。一方『市町村名語源辞典』によりますと、「しが〔滋賀〕(中略)シ(石)・カ(接尾語)で「石の多い所」のことか。スカ(砂州)の転とも考えられる。」とあり、『日本地名大事典 上』には、「しが〔滋賀〕(中略)「スカ(洲処)」の転訛説は、他の「シガ」地名からして、あり得ない。「シカ(石処)」の意で、石や岩の多い所をいう。(後略)」とあります。なお、『京都滋賀古代地名を歩く [1]』によりますと、志賀あるいは志賀津などの「シ」は「日本語では古い代名詞のシ(其)で、「それ」と指し示す代名詞である。「それ、そこの何々」という意味である。(中略)それでは下のガは何か。場所のカ(処)であろうか。」とあります。 参考資料: 1 角川日本地名大辞典 25 「角川日本地名大辞典」編纂委員会∥編 角川書店 1979年 S-2900- 79 p.23, 参考資料: 2 志賀町史 第1巻 [自然 原始・古代] 志賀町史編集委員会∥編集 滋賀県志賀町 1996年 S-2118-1 p.7-8, 参考資料: 3 市町村名語源辞典 溝手理太郎∥編 東京堂出版 2001年 R-2910-ミ p.123, 参考資料: 4 日本地名大事典 上(あ-す) 吉田茂樹∥著 新人物往来社 2004年 R-2910-1 p.303, 参考資料: 5 日本古代地名事典 吉田茂樹∥著 新人物往来社 2001年 R-2910-ヨ p.109, 参考資料: 6 京都滋賀古代地名を歩く [1] 吉田金彦∥著 京都新聞社 1987年 S-2900-1 p.179-182,

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