『近江源氏 第2巻』によりますと、「佐々木氏四家のうち高島佐々木と称するのは、坂田郡大原荘を累代所領とした佐々木大原氏の元祖、重綱の次弟高信(佐々木信綱二男)が父から近江の高島荘を与えられて高島郡に移り、田中郷を本拠として高島と姓を改め、その子孫が繁栄して本系高島氏のほか、平井、横山、田中、朽木、永田などの分家諸流を起こし、その一族が諸郷に分拠して高島郡の要所を抑え、すこぶる勢力をもったのである。(中略)これを高島佐々木と称し、また高島七頭とも呼ばれる有名な一党である。この一族から下坂、越中、能登、山崎、山中、その他の姓を名乗る分系も出ている。」とあります。また『今津町史 第1巻』によりますと、「高信には泰信(やすのぶ)・頼綱(よりつな)・胤信(たねのぶ)の三人の息子がいたが、嫡流は長男の泰信が継ぎ、次男の頼綱、三男の胤信はそれぞれ郡内の朽木(くつき)庄および永田(ながた)(音羽庄内)に移り住んだという。高島氏の庶子家朽木・永田両氏の成立である。以後高島氏からは平井(ひらい)(能登)氏が分立、また朽木からも横山・田中の両氏が分かれ、高信から三、四代を経て安曇川流域に展開して、その一族は高島郡南部を広く覆うに至る。これら高信を祖とし郡内に割拠した越中・平井・朽木・永田・横山・田中・山崎の七氏を、後世「高島七頭(たかしましちがしら)」と呼ぶ」とあります。系図は、『近江源氏 第2巻』に「高島佐々木氏一族略系図」が掲載されており、『宇多源氏佐々木氏族系図 第2巻』にも「佐々木(八) 高島、平井、太田、下坂、朽木、横山、田中、永田、市原氏系図」が掲載されています。
参考資料: 1 近江源氏 第2巻 佐々木氏の系譜 田中政三∥著 弘文堂書店 1981年 S-2800-2 p.206,208,
参考資料:
2 今津町史 第1巻 古代・中世 今津町史編集委員会∥編集 今津町 1997年 S-2113-1 p.305-306,
参考資料:
3 宇多源氏佐々木氏族系図 第2巻 千葉琢穂∥編著 展望社 1990年 5-2800-2 P.66,
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