青い蜂の種類に〈オオセイボウ〉があり、これに関する所蔵資料およびインターネット情報を紹介した。
また、刺すかどうかについては、図書・雑誌に「刺す」という記述は見あたらなかったが、インターネット情報には「刺す」「刺さない」両方の記述が見られた。
図書
『原色昆虫大図鑑 3 蜻蛉・直翅・半翅・膜翅他篇』(北隆館 1988)
図版145に、〈オオセイボウ〉の色について「頭胸部は緑で背面は菫色部が多い。第1背板は緑色。第2背板は菫色で後縁は金緑色をおびる。第3背板は紫菫色。」と記述あり。
『むし ふしぎ・びっくり!?こども図鑑 1』(〔高家博成〕〔監修〕 学習研究社 2004)
p58〈オオセイボウ〉の項に、横から見たカラー写真あり。
『昆虫クラブ カラー・ガイド・ブック』(坂水健祐写真・解説 誠文堂新光社 1998)
p80〈オオセイボウ〉の項あり。図版は白黒。「体は緑色と紫色にかがやく」と記述あり。
『原色昆虫百科図鑑』(古川晴男〔ほか〕編 集英社 1981)
p190〈セイボウ科〉の図版(カラーのイラスト)あり。大きな針状のものが見えるのは、〈オオセイボウ〉と〈イラガイツツバセイボウ〉。
p504-505〈セイボウ科〉の解説あり。〈オオセイボウ〉は、「色彩によって多くの変種にわけられている」とあり。解説中に「刺す」という記述は見られない。
『原色日本昆虫図鑑 下』(日本甲虫学会編 増補改訂版 保育社 1974)
第60図版にカラーの図版あり。針状突起が目立つのは、〈イラガイツツバセイボウ〉。
p134に簡単な解説あり。〈イラガイツツバセイボウ〉の記述に、「本州では中部以南で発見され、以北では未だ産しないようである。」とあり。ただし、本書の出版年は1974年。
『昆虫の写真図鑑』(日本ヴォーグ社 2000)
p182「セイボウのなかま」として3種の写真(緑色、紫色のハチ)と簡単な解説があるが、全体が青いハチの写真はなし。
p180に〈シタバチ科〉の一種として青いハチの写真あり。
『埼玉県昆虫誌 3』(埼玉昆虫談話会 1998)
p9-南部敏明著「埼玉県の膜翅目(ハチ・アリ類)」あり。
p39〈セイボウ科〉の項あり。学名・和名・採取地の記載あり。
『スズメバチはなぜ刺すか』(松浦誠著 北海道大学図書刊行会 1988)
p15〈人を刺すハチ〉の項に、「どんなハチが人を刺すか。それはシバンムシという屋内に住む小甲虫に寄生するアリガタバチと、社会性ハチとよばれるアシナガバチ、アスズメバチ、ミツバチ、マルハナバチの四グループにかぎられる。」とあり。
p14-15「広腰亜目のキバチや細腰亜目でもオナガヒメバチなどは、いずれも数センチに達するかたくて鋭い針のような産卵管をもっている。それは固いヒノキなどの材深く突き刺すことができる。そして、捕えると刺すまねまでする(図8)。しかし、けっしてその針が人の皮膚を刺し通すことはないし、毒もまったくもっていない。」とあり。
p17「人を刺すのはすべてメスであって、オスは決して刺さない。それは、毒針がもともと産卵管に由来するのだから当然であろう。」とあり。
p18オスが針状の突起をもつツチバチが紹介されている。セイボウ科のハチについては記述なし。
雑誌
寺山 守ほか著「日本のセイボウ -飛ぶ宝石-」(『月刊むし 472号』p2-15 むし社 2010.6)
「現在、日本のセイボウ類は38種となっている。」とあり、38種の簡単な解説、そのうち27種のカラー写真あり。
p2のタイワンセイボウの写真に管状の産卵管あり。
p6オオセイボウの写真に、個体による色の違いあり、また、雌雄とも針状の突起が見られるものあり。
インターネット情報
《茨城県自然博物館》
「自然博物館ニュース A・MUSEUM vol.39 2004.3」(PDFにより全文閲覧可能)
「オオセイボウ(大青蜂)の産卵。セイボウは産卵管が毒針に変化していないので刺しません。(写真あり)」と記述あり。
《埼玉昆虫談話会》
(http://homepage3.nifty.com/sundog/html/rb2.html 埼玉昆虫談話会 2012/08/02最終確認)
「2 刺す蜂・刺さない蜂」に、「刺すのは3上科(カリバチ・ハナバチ)だけ」とあり、「蜂の分類」の表を見ると、セイボウは3上科に属している。
《生物情報社》『沖縄有毒害生物大事典』(白井祥平著 新星図書出版 1982)の紹介ページ
p431 「ハチ類のグループの内、アリバチ科・セイボウ科・ツチバチ科・ベッコウバチ科・スズメバチ科・ジガバチ科・ミツバチ科・ヒメハナバチ科・コハナバチ科・ハキリバチ科のハチは、《刺毒蜂(しどくはち)》(刺すハチ)と考えるべきである。」とあり。
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