「右利きの人と左利きの人の割合」に関する記述のあった、以下の資料を紹介した。
世界の割合について記述のあった資料
『世界大百科事典 23 改訂新版』(平凡社 2007)
p522〈左利き〉の項に、「右利きに比べて左利きはつねに少数派で、その割合は0.2%から31%までばらついている。漢字を使う文化圏では少ない割合(1%以下)になる傾向がある。」とあり。
『世界大百科事典 11 改訂新版』(平凡社 2007)
p374〈左右優位〉の項に、「人間では、利き手、利き足、利き目、利き耳が右であることが圧倒的に多い。右手が利き手のものが全人口の約90%(以下略)」とあり。
『「右と左」の不思議がわかる絵事典 自然界は謎だらけ!』(富永裕久著 PHP研究所 2006)
p38「人種や時代を問わず、人類のほぼ90%が右ききなのだ。」とあり。
『右利き・左利きの科学 利き手・利き足・利き眼・利き耳…』(前原勝矢著 講談社 1989)
利き手の構造と機能など「利き」についての記述あり。また、割合については図表など複数個所に記述あり。
(図表の一部)
p17「表1.1 過去5000年の芸術に見る右手利きの頻度」
p20「図1.2 14-15歳男性の利き手の分布」
p22「図1.3 年齢による利き手分布の違い」
p59「図2.4 左手にペンを持つ人の割合」 ※オーストラリア、アメリカ合衆国、日本、台湾の割合を図表化
p112「表4.1 国別に見た右足でボールを蹴る頻度」 ※カナダ、イギリス、日本、台湾、アメリカの割合を図表化など。
『左利きの秘密(マンボウ・ブックス)』(箱崎総一著 立風書房 1979)
p41-42〈左利きの統計学〉の項に、「その国の社会思想、つまり左利きを矯正するかしないかによって数字は微妙に変わってくる」とあり、次のデータを紹介している。
「イギリス・フランス・アメリカなどにおいては、人口の4-6%が左利きであるといわれている。」(クラーク博士:イギリス)
「左利きの割合は5-8%であるが、潜在的には人口の30%までが左利きになる可能性を持つ」(クレム博士:アメリカ)
「両親や教師が子どもに干渉しなければ、左利きは約35%はいるはず」(ブリンゲルソン博士:アメリカ)
「小学生690名のうち67名の左利きがおり、その出現率は9.7%」(日本の調査)
『左ききの本』(マイケル・バーズリー著 西山浅次郎訳 TBS出版会 1973)
p37-45〈サウスポーの比率〉の章に、様々な研究の左利きの割合に関する数値の紹介あり。 前出のクラーク博士やブリンゲルソン博士の研究についても記述あり。
『右きき世界と左きき人間』(マイケル・バーズリー著 西山浅次郎訳 TBS教育事業本部 1972)
p201-204〈きき手の比率〉の項に、「世界にどの程度左ききがいるかに関する平均数はない。60年ほど以前きき手の問題に関心を寄せ始めた当時実施した特別な調査にもとづく推定数があるだけである。」とあり。
『見えざる左手 ものいわぬ社会制度への提言』(大路直哉著 三五館 1998)
p13-14 左利きの割合について、「数値に揺るぎない根拠があるかというと、じつは「ない」。有力視される調査データが10パーセントの周辺に散らばっているから、そう言っているにすぎないのだ。」とあり。
『非対称の起源 偶然か、必然か ブルーバックス B-1532』(クリス・マクマナス著 大貫昌子訳 講談社 2006)
p237「図7-2北ロンドンのウォルサムフォレストの小中学生を対象に行った調査」のグラフあり。
p238に、「このグラフが教えてくれることは、ほかにもまだある。男性の11.6%は左利きだが、女性の場合は8.6%しかない。」とあり。
『右と左の脳生理学:右脳思考と左脳思考』(マーク・ブラウン著 新井康允訳 東京図書 1981)
p20-22「色々な研究者が、世界の1ないし30%が左利きであると述べている。他の推計によれば、人口の5-12%が実際左利きであるか、あるいは自分が左利きだと思っていると言う。」とあり。
『左利きは危険がいっぱい』(スタンレー・コレン著 文藝春秋 1994)
p46「人類は人口のおよそ90%が右手利きだが」とあり、利き足・利き目・利き耳などの割合に関する記述、社会的要因・遺伝的要因との関係についての記述あり。
雑誌を調査
高橋正憲著「スコープ利き手に関する一考察」(『総合リハビリテーション 38巻8号』p795-800 医学書院 2010)
p795「最近では左利きの矯正を強要しなくなり、自然な利き手の割合がわかるようになったが、その結果、右利きは約88-90%、左利きは約10-12%と言われている。」
前原勝矢著「「利き手」ってなんだろう? (左利きと右利き) 」(『母の友 636』p42-45 福音館書店 2006)
p42「人類の場合、人種や民族、さらには時代、地域にかかわらず、約九十パーセントが右利きと言われています。(中略)世界中の人を対象にした利き手調査では、どの地域でも右手利きが九十パーセント前後をしめていました」とあるが、この記事の中ではどんな調査かは不明。
日本の割合に関する記述がある資料
『かくれた左利きと右脳』(坂野登著 青木書店 1982)
p120-132著者の日本でおこなった利き手についての調査(1972-1979年)についての記述あり。「小学生の子どもの右手利きでないもの(両手利きと左利きを合わせたもの)は、14.8%、13歳児で14.6%、15歳児で9.0%、大学生で10.6%だった。男女差はあまりはっきりとしていなかったのでまとめて図示してある。」とあり。
『手と脳 増補新装版』(久保田競著 紀伊国屋書店 2010)
p174「表4・利き手のアンケート調査」あり。豊倉康夫教授らが日本人6000人を対象として、手書き・ボール投げ・ラケットを持つ手・ほうきを持つ手・シャベルを持つ手・マッチをする手・ハサミを使う手・糸に穴を通す手について調査を行ったもの。
『女の脳・男の脳』 (田中富久子著 日本放送出版協会 1998)
p154「左手利きの比率は、歴史、民族を超えて5-10%と一定であり、その決定には遺伝的要因が大きいことは確かである。前原勝矢が、日本人の男女7351人を対象に調査したところ、比率は男性3.6%、女性2.7%だったという。そして、親や兄弟姉妹など、家族に左手利きがいる場合といない場合とを比較すると、家族に左手利きがいない場合は2-3%であるのに対し、いる場合は男性10.7%、女性8.7%と有意に高率となった。これは、利き手が遺伝的に決められることを物語っている。」とあり。
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