『滋賀近代文学事典』によりますと、読み方は「いの・けんじ」で、略歴は「1933・11・7~。詩人、評論家。神崎郡能登川町(現東近江市)生まれ。のち彦根市安清町(やすきよまち)に転居。埼玉県春日部市在住。県立彦根中学校(現彦根東高等学校)中途退学。1950年(昭和25)に創立された近江詩人会に初期から参加し、特に同会発起人の1人である長浜の武田豊と親しくなる。52年5月には、大西作平、中川郁夫、田中たけし(猛)らと語らって、社会への批判的参加を旗じるしとした「熔岩」詩人集団を結成した。その間、彦根や八日市の地元紙の記者をしていたが、57年に決断して上京。各種多数の雑誌を発行していた双葉社に入社、社員として編集に従事。プレスサービスセンターにも勤務。62年よりフリーのライターとなる。その後「民族宗教研究」編集長、「民族と思想」編集長を歴任、日本ジャーナリスト専門学院の講師を20年つとめる。(中略)評論家としての猪野は、正統的な正規の組織や制度から?落した社会最低辺の「ドロッパー」「アウトロー」の苦悩の呻きに耳を傾け、その史的事実を捜しだし拾いあつめ、冷静かつ客観的に書きとどめることに徹した。(中略)やくざの研究にしても、現代社会のひずみの一現象としてジャーナリステイックに捉えたり語ったりするのではなく、社会構造の深層、つまり差別、被差別の原点からえぐりだし、また時代の潮流をさかのぼって史的観点を重視しながら掘りおこし掘り下げ、考察し記述した。『電通公害論』(71年9月、日新報道)、『日本の右翼 その系譜と展望』(73年9月、日新報道)(中略)などの著書がある。(山本洋)」とあります。
参考資料: 1 滋賀近代文学事典 日本近代文学会関西支部滋賀近代文学事典編集委員会∥編 和泉書院 2008年 S-9000- 08 p.47,
参考資料:
2 滋賀県人物・人材情報リスト 2011 日外アソシエーツ∥編集 日外アソシエーツ 2011年 LB-2800-11,
参考資料:
3 近江詩人会60年 近江詩人会∥編集 近江詩人会 2010年 S-9300- 10,
参考資料:
4 近江詩人会40年 宇田良子∥[ほか]編 近江詩人会 1990年 S-9300- 90,
参考資料:
5 滋賀の文人〈近代〉 山本洋∥著 京都新聞社 1989年 S-9000- 89,
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