『世界大百科事典 2005年改訂版』(平凡社 2005)p114-118〈じかん 時間〉の項に様々な考え方が紹介されている。
時間の終わりに関する明確な記述は、ユダヤ・キリスト教的な世界観では最後の審判を「終点」としているという以外に、見あたらなかった。
宗教・哲学・科学の各方面から探索した結果、関連記述のあった以下の資料を紹介した。
終末思想(宗教)
『新キリスト教辞典』(宇田進〔ほか〕編 いのちのことば社出版部 1991)
p533-540〈終末論〉の項あり。「3 旧約・新約の終末観」に、〈終わりの日〉〈終わりの時〉が解説されている。
『終末思想に夢中な人たち』(ダミアン・トンプソン著 翔泳社 1999)
p10-38「なぜ終末思想という概念が生まれたのか」という項に、「終末思想について考えるにあたって、まずはじめに「時」という概念について見ていきたいと思う」とあり、キリスト教のみならず、他の宗教についても言及あり。暦についてもふれている。
時間論(哲学)
『人間の時間 時間の美学試論』(太田直道著 花伝社 2008)
p220-221「何かが終わり、何かが始まる」の項に、「終末とは何かという問題には無限の深みがある」とあるが、個人の終末(死)としてとらえている。
『時間と時 今日を豊かにするために』(広中平祐編 井上愼一編 日本学会事務センター 2002)
p28-29「終わりへ向かう時間」の項に、「生物学的時間には、大きく分けて種の時間と個人の時間があり、個人の時間の中には回流する時間と一直線に終わりに向かう時間の二種類がある」との記述あり。
理論物理学(科学)
『物理学辞典』(物理学辞典編集委員会編 培風館 1992)
p796〈時間〉の項では、始まりについては記述があるが、終わりについてはなし。
児童書
『科学のたんけんシリーズ 8 ある』(ジーン・ベンディック文と絵 文理 1977)
p66-67「空間と時間はどこまでもつづく」に「時間は、いつまでもつづいています。そして、いまというしゅん間も時間の中を流れています」とある。
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