「音楽家人名事典 新訂第3版」「昭和前期音楽家総覧 上巻」には川路柳虹の項なし。
「日本児童文学大事典 第1巻」227頁に川路柳虹の項あり。これによると、「…早くから「少女」に少女詩を掲載していたが「女学生」が創刊(1920)されるや、同誌への寄稿がさかんとなり、やがて「コドモアサヒ」「幼年倶楽部」などにも多くの童謡を発表した。これらを集めて「童謡詩人叢書」(新潮社)の第五編として『鸚鵡の唄』(1926)を刊行、外国童謡も含めて83編が収録されている。(中略)昭和期に入ってからも、前記「コドモアサヒ」「幼年倶楽部への寄稿は旺盛に続けられた」とのこと。
大空社から1992年に発行された『鸚鵡の唄』が当館に所蔵されていたため、内容を確認したが、「星の世界」は未収録。
「日本童謡のあゆみ」に、名作童謡集の解説として川路柳虹の『鸚鵡の唄』、ならびに童謡詩人、童謡論者としての川路柳虹について言及があるが、「星の世界」についての記述はなし。
CiNii(国立情報学研究所論文情報ナビゲータ[サイニィ])の「日本の論文を探す」で「川路柳虹」をキーワードに検索したところ、35件ヒット。そのうち「武蔵野大学文学部紀要」に掲載された「川路柳虹・少年詩人」(野口 存弥 )に児童詩に関する記述がありそうだが、当館未所蔵雑誌のため内容確認できず。
Web上で全文が閲覧できる「川路柳虹参考文献目録稿」を見たところ、昭和36年に発行された雑誌「原形」(原形同人会発行)の16号に「川路先生と童謡について」(都築益世)が掲載されているようだが、当館未所蔵雑誌のため内容確認できず。道内大学、国会図書館にも所蔵なし。東京にある日本近代文学館に所蔵あり。
川路柳虹からたどることは難しいようなので、「星の世界」が最初に教科書に掲載されたのはいつなのかを調査。
「音楽教科書掲載作品10000」で「コンヴァース」の項を見たところ、「星の世界」(「ほしの世界」「星の界」「星の光」「星の夜」)のタイトルで掲載された教科書が列記されている。そのうち最も古いものは中教出版から1951年に出版された「高等学校用音楽3」に掲載されたもの。ただしこれは川路柳虹以外の作詞も含まれているため、「川路柳虹」の項を見てみると、「星の世界」で最も古いものは中教出版から1952年に出版された「小学校用音楽五」に掲載されたもの。(この曲は杉谷代水、川路柳虹以外にも壷田花子、岩瀬菊夫などが作詞したものが教科書に掲載されていた模様。)
教科書については、当館では所蔵していないが、北海道教育大学附属図書館に教科書のコレクションがあり、HP内のOPACで検索したところ、中教出版の「小学校用音楽五」は札幌館に所蔵あり。(発行年が1951年になっているが、おそらく同じものと思われる。)
また、2003年ヤマハミュージックから出版された「なつかしの音楽教科書」は「昭和30年に発行された教育芸術社の小学校音楽教科書に載っている曲から選曲」されているが、川路柳虹作詞の「星の世界」が掲載されている。(巻頭カラーページ12~13頁に音楽教科書の表紙、楽譜部分、目次の写真が掲載されているが、この目次が「五年生の音楽」らしく、27番目に「星の世界」のタイトルが見える。)
参考資料: 1 音楽教科書掲載作品10000 日外アソシエーツ株式会社?編集 日外アソシエーツ 2011.1 760.31/O,
参考資料:
2 日本児童文学大事典 第1巻 人名あ?と 大阪国際児童文学館?編 大日本図書 1993.10 909.033/NI/1,
参考資料:
3 鸚鵡の唄 川路/柳虹?著 大空社 1996.9 911.58/KA,
参考資料:
4 日本童謡のあゆみ 上/笙一郎?編 大空社 1997.3 911.58/NI,
参考資料:
5 なつかしの音楽教科書 沢崎/真彦?編著 平沢/元?編著 ヤマハミュージックメディア 2003.7 767.7/NA,
参考資料:
1 音楽家人名事典 日外アソシエーツ株式会社?編集 日外アソシエーツ 2001.11 760.35/O,
参考資料:
2 昭和前期音楽家総覧 上巻 倉田/喜弘?監修・解説 林/淑姫?編集・解題 ゆまに書房 2008.4 762.1/SH/1,
↧