『日本城郭体系 11』によりますと、所在地は「東浅井郡浅井町小室」、創築年代は「慶安元年(一六四八)」、創建者は「小堀正之」、形式は「陣屋(居館)」です。城の歴史は「小室城は、正保四年(一六四七)に小堀正一(遠州)の遺領を継いだ正之によって慶安元年に築かれた居館である。以後、政垣、政房、政峯、政方と続いたが、政方が伏見奉行在任中苛政をしたことにより天明八年(一七八八)に改易となった。小堀家の居館や家臣の住居などは、寛政元年(一七八九)に大津代官所によって競売され城は廃された。同三年には跡地の荒地を開墾して畑とするように命ぜられている。佐治家に所蔵されている「江州小室御屋敷指図」(写)によれば、南を正面として表門があり、その東から東側の裏門にかけて長屋が鉤形に設けられ、北側は山に面し、西側と南側の西半は築地塀(ついじべい)によって囲まれていたことが窺える。この中に屋敷と、馬場・蔵などが建っており、ほかに小堀家らしく、「転合庵」と「養保庵」の二つのお茶屋が存在していた。この居館の外側、主に西側と南側に家臣の屋敷が居館をとりまくように並んでいた。」とあります。なお、東浅井郡浅井町小室は現在長浜市小室町になっています。
参考資料: 1 日本城郭大系 11 新人物往来社 1980年 S-5200- 80 p.232-233,
参考資料:
2 滋賀県中世城郭分布調査 7 伊香郡・東浅井郡の城 滋賀県教育委員会∥編集 滋賀県教育委員会 1990年 5B-5200-7,
参考資料:
3 東浅井郡志 巻3 黒田惟信∥編 日本資料刊行会 1975年 5-2160-3,
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