『定本日本城郭事典』によりますと、所在地は「甲賀郡水口町」、別称は「岡山城」、創築年代は「天正十三年、寛永十年」、創建者は「中村一氏、小堀遠州」、形式は「山城、平城」です。城の歴史は「天正十三年(一五八五)中村一氏の築城、三雲城の遺材が用いられた。山頂に本丸、二の丸、三の丸が築かれ、麓の外郭は堀をめぐらし、家臣の屋敷があった。一氏の後、増田長盛、長束正家が城主となった。慶長五年(一六〇〇)正家は上杉征伐に向かう家康を招待し、家康を謀殺しようとしたが、甲賀者の密告で家康は難をまぬがれたという。関ヶ原に正家は敗れ、廃城となった。以上は水口城の前史で、岡山城、水口古城と呼ばれる。寛文九年(一六三二)小堀遠州が、将軍往還の宿舎として新城を築いた。凸字の小規模な城であったが、将軍専用の施設で、かなり作事は入念に行なわれた。築城以来、番城として城代が預かり、正徳三年(一七一三)には秋元但馬守の指図で建物は取り壊された。天和二年(一六八一)加藤嘉明の孫明友が二万石で封じられ、一時、鳥居忠英と交替したが、再封して二万五千石で明治まで相続いた。」とあります。なお、甲賀郡水口町は現在甲賀市水口町になっています。
参考資料: 1 定本日本城郭事典 西ケ谷恭弘∥編 秋田書店 2000年 R-5218-ニ p.229,
参考資料:
2 日本城郭辞典 鳥羽正雄∥著 東京堂出版 1995年 R-5218-ト,
参考資料:
3 国別城郭・陣屋・要害・台場事典 西ケ谷恭弘∥編 東京堂出版 2002年 R-5218-ニ,
参考資料:
4 近江の山城ベスト50を歩く 中井均∥編 サンライズ出版 2006年 S-2900- 06,
参考資料:
5 近江城郭探訪 滋賀県教育委員会∥編 滋賀県文化財保護協会 2006年 S-2900- 06,
参考資料:
6 滋賀県中世城郭分布調査 2 甲賀の城 滋賀県教育委員会∥編 滋賀総合研究所∥編 滋賀県教育委員会 1984年 5B-5200-2,
参考資料:
7 日本城郭大系 11 新人物往来社 1980年 S-5200- 80 p.283-284,
参考資料:
8 滋賀県百科事典 滋賀県百科事典刊行会∥編 大和書房 1984年 S-0300- 84 p.701,
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