檜尾寺は甲賀市甲南町池田にあります。『滋賀県百科事典』によりますと、概要は「(前略)頭上に十一個の小面をのせ、胸前に合掌する真手、左右に二十本の脇手をあらわしたいわゆる四十二臂の千手観音立像である。顔は面長で、頬の肉付けをゆったりととり、両眼をきざんで、厚めの唇をつくる。裳の衣文の彫り口はふかく、とくに両膝から裾にかけて、大小の波をくりかえす翻波式衣文をきざむところは、平安初期彫刻につうじる古様の趣きがみとめられる。しかし頭部を前後二材、体部は中心材、正面、背面、両側面の五材を寄せる寄木造であることや、髪の形、裳の折返しを膝のあたりまであらわすところなどから、鎌倉時代(13世紀)の復古的な作風をもつ像として注目される。像高178.5cm。重要文化財。(宮本忠雄)」とあります。
参考資料: 1 滋賀県百科事典 滋賀県百科事典刊行会∥編 大和書房 1984年 S-0300- 84 p.604-605,
↧