宝厳寺は長浜市早崎町地先、琵琶湖上の竹生島にあります。『滋賀県百科事典』によりますと、概要は「竹生島宝厳寺に伝来する繍仏(しゅうぶつ)2面のうちの一つ。法華経勧発品(かんぼつぼん)に法華経を持するものを擁護すると説かれている普賢菩薩と、法華経陀羅尼品(だらにぼん)に同経を護持するものを守護すると説かれた十羅刹女をあわせてえがいて一図を構成する。この図は、普賢菩薩が東方浄明国(じょうみょうこく)から法華経信者の前に、十羅刹女をしたがえて華麗な姿をあらわしたところを、色糸で刺繍(ししゅう)したもので非常にめずらしい。画面中央には、宝蓋(ほうがい)をいだき六牙(ろくげ)の白象(びゃくぞう)の背上に結跏趺坐(けっかふざ)して合掌する普賢菩薩をえがき、周辺に唐装姿の十羅刹女を配している。繍(ぬ)いは丹念でおもにさし繍いをもちい、所どころ平繍いが行われている。鎌倉時代の作と考えられ、貴重な天台系繍仏である。重要文化財。(桑山俊道)」とあります。
参考資料: 1 滋賀県百科事典 滋賀県百科事典刊行会∥編 大和書房 1984年 S-0300- 84 p.671,
↧