旧竹林院は大津市坂本五丁目にあります。『大津の文化財』によりますと、概要は「延暦寺(えんりゃくじ)の旧里坊(さとぼう)竹林院の地に別荘を営んだのは数奇者藪田(やぶた)氏で、現在の茶室などは同氏により大正年間(一九一二~二六)に建てられたと考えられる。旧竹林院では庭園(中略)の中に二棟の茶室と四阿が離れて配置され、一連に使用することによって茶事ができるように工夫されている。三棟の建物の内、茶室(小間)は千利休の縁につながる久田家の三代宗全の好みによって生み出された、店前座の一方に一畳他方に台目畳(だいめだたみ)の客座を添えた、「天(あま)の川席(がわせき)」と呼ばれる間取りをとっている。全国的にも旧竹林院以外では、武者小路千家東京道場となっている旧久米邸が知られるのみである。」とあります。また同資料によりますと、茶室(小間)は1棟、桁行9.73尺、梁行9.73尺、茶室(広間)は1棟、桁行39.28尺、梁行29.44尺 四阿は1棟、桁行9.40尺、梁行9.00尺。大津市指定文化財(平成5年3月15日指定)です。カラー写真あり。
参考資料: 1 大津の文化財 大津市教育委員会∥編集 大津市教育委員会 1998年 SB-7011- 98 p.34,
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