延暦寺は大津市坂本本町にあります。『滋賀県百科事典』によりますと、概要は「最澄(766または767~822)は、804年(延暦23)遺唐使に隋行し入唐(にっとう)するが、その年の秋、訳語僧(通訳)義真、行者丹福成をともない、天台山に巡礼している。このおりに、明州と台州の各役所へ旅行承認書の申請を行い、下付されたのがこの文書である。前者明州牒では、巡礼の目的・携帯する経典・衣類・侍者および出発の日時などが記されているが、この年の9月上旬ころ最澄は病いに罹り、ようやく9月15日に出発できるまでに回復した由が記されている。(中略)台州牒は、天台山から明州に帰るときのもので、許可申請文書とそれに対する許可である。申請文書は最澄の自筆であり、謹厳な楷書で記され、最澄の実直な性格まで表現されたものということができる。(中略)本入唐牒は在唐当時の最澄の詳細な行動を知る史料であるとともに、唐の交通制度史をしめすものである。国宝。(土井通弘)」とあります。
参考資料: 1 滋賀県百科事典 滋賀県百科事典刊行会∥編 大和書房 1984年 S-0300- 84 p.80,
参考資料:
2 近江文化財全集 上巻 近江史跡会∥編集 近江史跡会 1974年 SB-7000-1,
参考資料:
3 大津の文化財 大津市教育委員会∥編集 大津市教育委員会 1998年 SB-7011- 98,
参考資料:
4 国宝大事典 3 書跡・典籍 講談社 1986年 R-7091-3,
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