金剛輪寺は愛荘町松尾にあります。『滋賀県百科事典』によりますと、概要は「金剛輪寺本堂須弥壇上の厨子のむかって左(毘沙門)右(不動)に安置される像である。この配置は、天台宗独特の三尊構成である。不動は、頭頂に莎髻(しゃけい)をゆい、巻髪(けんぱつ)、弁髪(べんぱつ)を左肩にたらし、天地眼、牙上下出相とする安然様のものである。162.3cm。頭体幹部をヒノキ縦一材から彫成し、体部背面を割放ち、割首とし、頭部も前後矧とする。左腕は肩、手首、右腕は肩、臂、手首でそれぞれ矧ぐ。両足先別矧。弁髪半ばより矧付。(中略)毘沙門天は、両眼をひらいて瞋目、閉口し、甲を着し、右手はふりあげて戟をとり、左手は屈臂して掌を上にして宝塔をささげる。右足をややまげて邪鬼を上にたつ。像高171.2cm。頭体の幹部をヒノキ一材から彫成し、前後に割矧ぐ。左腕は肩、手首、右腕は一材にてそれぞれ矧ぐ。彩色は不動と同様にほどこさない(ただし唇に朱、鼻下にヒゲの墨描)。(中略)不動、毘沙門は、墨書銘より、同様に良真という僧が願主になっていることから一具のものと考えられ、鎌倉時代、1211年(建暦元)の基準作例として貴重なものである。重要文化財。(井上一稔)」とあります。
参考資料: 1 滋賀県百科事典 滋賀県百科事典刊行会∥編 大和書房 1984年 S-0300- 84 p.307,
参考資料:
2 近江文化財全集 下巻 近江史跡会∥編集 近江史跡会 1974年 SB-7000-2,
参考資料:
3 仏像レファレンス事典 日外アソシエーツ株式会社∥編 日外アソシエーツ 2009年 R-7180-ニ,
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