金勝寺狛坂磨崖仏は栗東市荒張の金勝山中にあります。『滋賀県百科事典』によりますと、概要は「(前略)狛坂廃寺のすぐ下方にある高さ約6.2mの花崗岩にきざまれた磨崖仏である。岩面のほぼ下半分に大きく三尊像を半肉彫し、中央は偏袒右肩(へんたんうけん)の衲衣(のうえ)を着し、転法輪印と考えられる印相をしめし、右足を外にして裳懸(もかけ)座に座す如来像(阿弥陀如来か、像高235cm)、その左右には中尊側に腰をひねって連華座にたつ菩薩像をあらわしている。狛坂寺は弘仁年中(810~824)に金勝寺を開いた興福寺の僧願安によって創建されたとつたえられ、磨崖仏もそのころ制作されたと考えられるが、奈良時代後期とおく説もある。いずれにせよその様式は新羅(しらぎ)石彫像の影響をうけており、朝鮮半島からの渡来人の手になるものであろう。この三尊像の上に2組の三尊像と菩薩立像、両脇侍の頭部左右外側に菩薩立像、主壁の右前方の別石にも三尊像を浮彫するが、これらは平安時代後期から鎌倉時代にかけての追刻であろう。国指定史跡。(佐々木進)」とあります。
参考資料: 1 滋賀県百科事典 滋賀県百科事典刊行会∥編 大和書房 1984年 S-0300- 84 p.307,
参考資料:
2 近江文化財全集 上巻 近江史跡会∥編集 近江史跡会 1974年 SB-7000-1,
↧