西教寺は大津市坂本五丁目にあります。『滋賀県百科事典』によりますと、概要は「熊野曼荼羅には熊野十二所権現を本地形にえがいた本地仏曼荼羅、垂迹形にえがいた垂迹曼荼羅、さらに宮曼荼羅、参詣曼荼羅がある。この西教寺本は本地仏曼荼羅で、画面全体を神殿にみたて、上方に熊野三山の主祭神の本地である阿弥陀(本宮)・薬師(早玉)・千手観音(那智)を大きくえがいて、その前に小さく10体の仏・菩薩・天部を2列に並列する。社殿大床(おおゆか)の左右には速玉宮の末社である神蔵神社と阿須賀神社の本地仏である愛染明王と大威徳明王がえがかれる。とくにこの西教寺本の特色は、社殿前庭に美しい玉砂利をしきつめ、その上の敷物をのべて坐している1人の修験者をえがいていることである。一説にはこの修験者はもっとも社参の度数が多かった後白河法皇の御姿ではないかとしている。制作期は鎌倉時代末期から南北朝時代ころであろう。県指定文化財。(宇野茂樹)」とあります。
参考資料: 1 滋賀県百科事典 滋賀県百科事典刊行会∥編 大和書房 1984年 S-0300- 84 p.309-310,
参考資料:
2 滋賀県指定文化財 滋賀県立琵琶湖文化館∥編 滋賀県立琵琶湖文化館 1987年 S-7000- 87,
参考資料:
3 大津の文化財 大津市教育委員会∥編集 大津市教育委員会 1998年 SB-7011- 98,
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