永昌寺は甲賀市水口町宇川にあります。『滋賀県百科事典』によりますと、概要は「(前略)像高154.9cm。両手・両足をのぞいたほぼ全身をヒノキの1材から彫出して内刳(うちぐり)しない。両手・両足先や袖先の一部、台座、光背は後補となるが、褪色(たいしょく)がはげしいとはいえ当初の彩色ものこし、保存は良好である。きびしさののこる表情や大きな耳、肉身をあまりみせずに渦文や翻波式衣文をきざむ衣の表現などは、その構造とともに古様である。しかし全体的な量感の減退、円い曲線をえがく肩や鋭さを欠いた衣文の彫法、さらにその衣文の処理法などは善水寺薬師如来坐像や梵天・帝釈天立像にいちじるしく似ており、制作者や年代が極めて近いことを暗示している。10世紀末の制作と考えられる。重要文化財。(後略)(高梨純次)」とあります。
参考資料: 1 滋賀県百科事典 滋賀県百科事典刊行会∥編 大和書房 1984年 S-0300- 84 p.70,
参考資料:
2 仏像レファレンス事典 日外アソシエーツ株式会社∥編 日外アソシエーツ 2009年 R-7180-ニ,
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