西教寺は大津市坂本五丁目にあります。『滋賀県百科事典』によりますと、概要は「前田菊姫は加賀100万石の初代藩主前田利家(としいえ)の6女きくのことである。きくは1578年(天正6)利家と側室の間に生まれた。幼時より豊臣秀吉の養女となり、大津在住の商人西川重元のもとで養育されていたが、1584年(天正12)わずか7歳でこの世をさった。きくは坂本の西教寺にほうむられ、今も墓石がある。菊姫の肖像画は、武将の娘にふさわしい姿でえがかれている。あどけない顔に唐子風に髪をゆい、唐草文様の上着をつけ、右手に白い菊の一枝を、左手は膝の上において上畳に座している。上畳には子どもの玩具の犬張子、香合、紙人形、独楽(こま)などをおき、いかにも童女の肖像らしい雰囲気を表出している。このような幼児の肖像画はきわめて少なく貴重な遺品といえよう。(中略)重要文化財。(木村至宏)」とあります。
参考資料: 1 滋賀県百科事典 滋賀県百科事典刊行会∥編 大和書房 1984年 S-0300- 84 p.310,
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