西教寺は大津市坂本五丁目にあります。『滋賀県百科事典』によりますと、概要は「西教寺客殿内にまつられる薬師如来像で秘仏とされ、年一度節分の日の法要どきだけ開扉される。この薬師如来は1590年(天正18)西教寺第9世真智(しんち)上人が京都六勝寺(ろくしょうじ)の一つである岡崎の法勝寺を併合してその寺宝を西教寺にうつしたとき、法勝寺からうつされたという由緒をもっている。寄木内刳り、漆箔・彫眼の像で、偏袒右肩(へんたんうけん)の衲衣(のうえ)をつけて結跏趺坐(けっかふざ)している。その印相(いんそう)は両手の臂(ひじ)を膝よりたかくはなして胸前で左掌に薬壺をのせ、右手は五指をのばしてこれにちかづけるという特異な相です。顔は丸く端整で、衲衣の衣褶はととのっておだやかであるが、彫りが比較的ふかめになっていて、頭部の髪際(はつさい)の正面が額に少しかぶさってきている。造像時期は平安末の余風をたたえた鎌倉初期の作で、正統仏師の手になった風格をただよわせる。重要文化財。(宇野茂樹)」とあります。
参考資料: 1 滋賀県百科事典 滋賀県百科事典刊行会∥編 大和書房 1984年 S-0300- 84 p.311,
参考資料:
2 大津の文化財 大津市教育委員会∥編集 大津市教育委員会 1998年 SB-7011- 98,
参考資料:
3 近江文化財全集 上巻 近江史跡会∥編集 近江史跡会 1974年 SB-7000-1,
参考資料:
4 仏像レファレンス事典 日外アソシエーツ株式会社∥編 日外アソシエーツ 2009年 R-7180-ニ,
↧