勝手神社は竜王町岡屋にあります。『滋賀県百科事典』によりますと、概要は「(前略)三間社流造(さんげんしゃながれづくり)の庇(ひさし)の間に建具をもうけて前室とし、さらに孫庇(まごひさし)を向拝(こうはい)とする形式の本殿は県内に中世の遺構が多くある。ただし、勝手神社本殿は前室の建具を菱組格子戸とした例で、前室をあまり閉鎖的にせず、実に優美な形をなしている。棟札写によれば、1400年(応永7)の上棟で、母屋柱上の組物は連出三斗組(つれでみつどぐみ)、前室および向拝は出三斗組に手狭(たばさみ)を入れ、3間の向拝各間に蟇股(かえるまた)をそなえるが、これらの彫刻は時代考証のよい資料である。母屋の正面3間と両側面の前寄の間は幣軸板扉構(へいじくいたとびらがまえ)で内部は1室とし、棹縁天井(さおぶちてんじょう)をはる。(中略)重要文化財。(成瀬弘明)」とあります。
参考資料: 1 滋賀県百科事典 滋賀県百科事典刊行会∥編 大和書房 1984年 S-0300- 84 p.158,
参考資料:
2 近江文化財全集 下巻 近江史跡会∥編集 近江史跡会 1974年 SB-7000-2,
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