園城寺は大津市園城寺町にあります。『滋賀県百科事典』によりますと、概要は「不動明王を中心に、3人の童子と5人の侍者を配する特異な不動像で、この像容は、『別尊雑記』(べっそんざっき)などに収録の智証大師請来の五菩薩五忿怒像(ごふらいごふんぬぞう)中の不動と一致するもので、円珍(えんちん)が唐より請来した図像をもとに描かれたことがわかる。不動は総髪(そうはつ)で、弁髪(べんぱつ)を左耳前にたらし、両眼ともひらき、上歯で下唇をかむ。三童子とともに肉身を青緑とし、文様は彩色で、衣文線は墨線をもちい、装身具などには裏箔(うらはく)をもちいている。特に、諸尊の火焔光(かえんこう)をそれぞれにちがえたり、掌(てのひら)や足の裏を赤く塗るなどは傑出した特色である。(中略)制作時期は、平安時代の終わりから鎌倉時代初めごろにかけてとおもわれる。重要文化財。(上野良信)」とあります。
参考資料: 1 滋賀県百科事典 滋賀県百科事典刊行会∥編 大和書房 1984年 S-0300- 84 p.136,
参考資料:
2 大津の文化財 大津市教育委員会∥編集 大津市教育委員会 1998年 SB-7011- 98,
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