園城寺は大津市園城寺町にあります。『滋賀県百科事典』によりますと、概要は「金堂(こんどう)の西方、霊鐘堂(れいしょうどう)に安置される古鐘。鋳銅製のみるからに大形な梵鐘で、撞座の位置が高くて龍頭(りゅうず)と直交するなど古式の形態をよくしめしています。火焔宝珠(かえんほうじゅ)の先端を欠くが、笠形を?み、上方になびくたてがみをもった龍頭の造形は力強いものがある。鐘身はゆるやかな張りをみせながら下降線をえがく。上帯(じょうたい)、下帯(かたい)とも素文とし、乳(ち)はやや小形の簡単な山形で、五段七列に配置する。撞座は十二弁蓮華をかたどっているが、磨滅がいちじるしく輪郭をとどめるにすぎない。無銘ながら奈良時代の特色をよくそなえ、同年代では東大寺鐘につぐ大きさをもち、薬師寺鐘にならぶ。地元では、この梵鐘を通称「弁慶のひきずり鐘」として伝説をともなうことから一般に知られている。重要文化財。(桑山俊道)」とあります。
参考資料: 1 滋賀県百科事典 滋賀県百科事典刊行会∥編 大和書房 1984年 S-0300- 84 p.139,
参考資料:
2 大津の文化財 大津市教育委員会∥編集 大津市教育委員会 1998年 SB-7011- 98,
参考資料:
3 近江文化財全集 上巻 近江史跡会∥編集 近江史跡会 1974年 SB-7000-1,
↧