延暦寺は大津市坂本本町にあります。『滋賀県百科事典』によりますと、概要は「天台宗草創期の最澄自筆の文書を継ぎ合わせ1巻としたものである。すなわち、(1)は南都六宗(華厳(けごん)・律(りつ)・三論(さんろん)・成実(じょうじつ)・法相(ほっそう)・倶舎(ぐしゃ)の6宗)にくわえて、天台法華宗にも年間2人の年分度者(ねんぶんどしゃ)(各宗派において1年間にゆるされる得分度者(とくぶんどしゃ)のことで、当時、出家は国家の管理下におかれていた)をゆるされんを請うた上表文。(中略)(4)は807年(大同2)から818年(弘仁9)までの天台法華宗年分度者24名の名簿。(中略)(6)はいわゆる山家学生式(さんけがくしょうしき)とよばれるもので、比叡山で修業する学僧の規律をさだめたものである。いずれも初期天台宗にとってもっとも重要な文書ばかりであり、草創期比叡山寺(823年〈弘仁14〉延暦寺と改名)の経営にさいして、最澄がどれほど努力をかたむけたかをしめす貴重な史料である。国宝。(土井道弘)」とあります。
参考資料: 1 滋賀県百科事典 滋賀県百科事典刊行会∥編 大和書房 1984年 S-0300- 84 p.80-81,
参考資料:
2 大津の文化財 大津市教育委員会∥編集 大津市教育委員会 1998年 SB-7011- 98,
参考資料:
3 近江文化財全集 上巻 近江史跡会∥編集 近江史跡会 1974年 SB-7000-1,
参考資料:
4 国宝大事典 3 書跡・典籍 講談社 1986年 R-7091-3,
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