延暦寺は大津市坂本本町にあります。『滋賀県百科事典』によりますと、概要は「(前略)総高16.4cm、縦32.7㎝、横19.9cmの大型の経箱。長方形の印籠蓋造りの形式をとっている。蓋は中央部に若干のもりあがりをつけるだけで、ほとんど平面にちかい。蓋と身の印籠口には、?の縁どりをはめこんでいる。素地は蓋身とも木製で黒漆をぬり、全面に粗い金粉をまいた地の上に、全面に金銀の蒔絵をほどこしている。その文様は、蓋の表二つと胴の両側面に二つずつ、胴の両小口に一つずつの金蒔きの円輪をつくり、その中に花菱形の花心の文様を中心に、四方に蔓と葉と花を配し、それと対照的に宝相華の団?文(だんかもん)を蒔絵でえがいている。技法は蔓や葉は銀蒔き、花は金蒔き、葉の中心に金蒔きをくわえたり、さらに蓋裏は宝相華唐草文を銀蒔きするなどあざやかな配色をみせている。(中略)国宝。(木村至宏)」とあります。
参考資料: 1 滋賀県百科事典 滋賀県百科事典刊行会∥編 大和書房 1984年 S-0300- 84 p.81,
参考資料:
2 大津の文化財 大津市教育委員会∥編集 大津市教育委員会 1998年 SB-7011- 98,
参考資料:
3 近江文化財全集 上巻 近江史跡会∥編集 近江史跡会 1974年 SB-7000-1,
参考資料:
4 国宝大事典 4 工芸・考古 講談社 1986年 R-7091-4,
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