延暦寺は大津市坂本本町にあります。『滋賀県百科事典』によりますと、概要は「(前略)横川(よかわ)の比叡山秘宝館において保管されている。もとは山麓の別当大師堂に安置されていた像で、最澄からも嵯峨天皇からもふかく寵遇された天台の高僧、光定の肖像とみなされている。頭巾をかぶり、狩衣(かりぎぬ)をきて、肩にかけた袋を左手でもち、右手には鍵をにぎって腰わきでかまえ、沓をはいて立つ姿は、大黒天像に似ている。大黒天は天台寺院の台所にまつられることが多く、本像も大黒天として造像され、のちに、何かの事情により右手に鍵をもたせて、光定大師像とよばれるようになったみのであろう。一木造り、彫眼、素地仕上げの像で、その簡素な彫法からみて、南北朝時代ころの作と考えられる。像高83.3cm。重要文化財。(宮本忠雄)」とあります。
参考資料: 1 滋賀県百科事典 滋賀県百科事典刊行会∥編 大和書房 1984年 S-0300- 84 p.81,
参考資料:
2 大津の文化財 大津市教育委員会∥編集 大津市教育委員会 1998年 SB-7011- 98,
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