『滋賀県百科事典』によりますと、概要は「彦根市古沢町大洞(おおほら)に所在する臨済宗妙心寺派の寺。由緒によると734年(天平5)行基菩薩により、遠江国引佐那井伊谷郷に開基、その後井伊氏の始祖共保(ともやす)が1093年(寛治7)没し、この寺にほうむられて以来、井伊氏の菩提寺となった。1385年(元中2)後醍醐天皇の第3皇子宗良(むねなが)親王によって中興され、中国?陽の龍潭にあやかり寺号としたという。1600年(慶長5)関ケ原の役の功により井伊氏は彦根封ぜられ、第2代直孝のとき落城後の佐和山山麓に1617年(元和3)法類寺として創建、開山を昊天(こうてん)禅師とした。近郊に十余カ寺の末寺を有する巨刹である。なおこの寺院は園頭科を設置し、一時は学僧百余名、講師十余をして庭園学、造園の技能などわが国造園学叢の源をなし、いくたの学僧を輩出した。境内林泉庭園と方丈の森川許六(もりかわきょろく)(芭蕉の十哲)が両面にえがいた襖絵56枚は、市の指定文化財になっている。庭園の後丘上に造園祖夢窓国師(むそうこくし)や開祖以来の諸禅師および小堀遠州の供養塔、また造園史上の先賢をまつる庭聖殿がある。(久保田弥一郎)」とあります。なお、文中の「宗良(むねなが)親王」は現在では「宗良(むねよし)親王」と呼ばれています。
参考資料: 1 滋賀県百科事典 滋賀県百科事典刊行会∥編 大和書房 1984年 S-0300- 84 p.761,
参考資料:
2 図説近江古寺紀行 木村至宏∥著 河出書房新社 1995年 5-1800- 95,
参考資料:
3 近江路の古寺を歩く 大石真人∥著 山と渓谷社 1997年 S-1800- 97,
参考資料:
4 日本名刹大事典 圭室文雄∥編 雄山閣出版 1992年 R-1859-タ,
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