『滋賀県百科事典』によりますと、概要は「鈴鹿山脈の南端、高さ700mの油日岳のふもと甲賀郡甲賀町油日にある。社伝によると、むかしこの山頂に油日大明神が降臨され、そのときに大光明を発したので「油日」の名がおこったという。頂上には「岳(だけ)大明神」とよばれる奥宮がまつられ、いまも毎年9月11日の夕方から油日谷7カ村の氏子がのぼり、おこもりをして山霊を山麓の油日神社に翌々日の13日にむかえる行事があり、「御生(みあ)れ祭り」の古い形をつたえている。山岳信仰の原始まつりの名残りといえる。山頂の奥宮に対する里宮が油日神社、祭神は油日命を中心に、猿田彦命、罔象女命(みづはのめのみこと)をまつり、農耕と水の神である。ひろい境内は数万本の檜の森にかこまれている。鳥居から楼門までの馬場、両側の石積みをはじめ、楼門、回廊は神社建築の正面景観をなす。室町時代の重要文化財だけあって、落ちついている。近江の神社建築の一級品である。農耕神事として民衆的な「田まつり」、豊作を祈る「ずずいこ様」、「田作り福太夫神面」がのこり、また油日祭りは5年目ごとの5月1日に行われる豪華な風俗絵巻(国選択無形民俗文化財)。みごとな神社建築とともに、山岳信仰、民俗行事もみおとせない。(池内順一郎)」とあります。なお、甲賀町油日は現在甲賀市油日になっています。
参考資料: 1 滋賀県百科事典 滋賀県百科事典刊行会∥編 大和書房 1984年 S-0300- 84 p.17,
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2 社寺要覧 三宅辨造∥編 滋賀県 1923年 S-1600- 23,
参考資料:
3 湖国百選 社寺 滋賀総合研究所∥編集 滋賀県 1993年 S-1600- 93,
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4 近江・若狭・越前寺院神社大事典 平凡社∥編集 平凡社 1997年 S-1600- 97 p.52-53,
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5 神社由緒記 三宅辨造∥編 滋賀縣内務部教育課 1921年 5-1700- 21,
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6 滋賀県神社誌 滋賀県神社庁∥編 滋賀県神社誌編纂委員会 1987年 S-1700- 87 p.284-285,
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7 日本社寺大観 神社篇 藤本 弘三郎∥編 名著刊行会 1970年 R-1759-フ,
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8 全国神社名鑑 下 三浦譲∥編 全国神社名鑑刊行会史学センタ- 1977年 RB-1703-ミ,
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9 神社辞典 白井 永二∥編 東京堂出版 1979年 R-1759-シ,
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10 神社名鑑 神社本庁調査部 神社本庁 1963年 R-1759-シ,
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