『滋賀県百科事典』によりますと、概要は「蒲生郡安土町桑実寺にある天台寺院。山号は繖山(きぬがささん)で本尊は薬師如来。『縁起』によれば寺号の桑實寺はこの地に桑の木がはえたことにちなむとあり、また「病即消滅ノ霊場、不老不死ノ仙窟ナリ」と記されているが、繖山頂上付近には巨岩が露頭しており、古代には巨岩にたいする信仰のあったことが考えられる。さらに、それが薬師如来の信仰とむすびつき衆生の病苦、無明の痼疾(こしつ)をなおす霊場となる。その契機は、749年(天平感宝元)聖武天皇の薬師寺にたいする豊浦の水田100町の施入である。(中略)以後豊浦庄は薬師寺領となり、桑實寺がこの庄の別当職として庄務をあずかった(『大乗院寺社雑事記』)。また佐々木信綱は駿河国の久能寺の弁円を当寺にまねき帰依、以来佐々木氏はこの寺を保護した。1483年(文明15)6月26日、寺内に三重塔を建立し塔婆供養(とうばくよう)がなされた。(中略)本堂(室町)、紙本著色桑實寺縁起2巻(室町)は重要文化財に指定されている。(後略)(森山宣昭)」とあります。なお、蒲生郡安土町桑実寺は現在近江八幡市安土町桑実寺になっています。
参考資料: 1 滋賀県百科事典 滋賀県百科事典刊行会∥編 大和書房 1984年 S-0300- 84 p.228,
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2 近江・若狭・越前寺院神社大事典 平凡社∥編集 平凡社 1997年 S-1600- 97 p.170-171,
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3 湖国百選 社寺 滋賀総合研究所∥編集 滋賀県 1993年 S-1600- 93 p.52,
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4 社寺要覧 三宅辨造∥編 滋賀県 1923年 S-1600- 23,
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5 近江路の古寺を歩く 大石真人∥著 山と渓谷社 1997年 S-1800- 97,
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6 図説近江古寺紀行 木村至宏∥著 河出書房新社 1995年 5-1800- 95,
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7 近江・若狭 小学館 1991年 S-1800- 91,
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8 日本名刹大事典 圭室文雄∥編 雄山閣出版 1992年 R-1859-タ,
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9 日本社寺大観 寺院篇 藤本 弘三郎∥編 名著刊行会 1970年 R-1859-フ,
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