『滋賀県百科事典』によりますと、概要は「高島郡マキノ町大字海津字上尾(うえお)にあり、1191年(建久2)の勧請、菅原道真をまつる。古くより勅願所として社領130石をうけていた。1571年(元亀2)織田信長の兵火にあう。1576年(天正4)高島郡の支配者磯野丹波守員昌(かずまさ)が本殿を寄進し、1585年(天正13)豊臣秀吉が社領7石を寄進している。1648年(慶安元)徳川家光より社領10石の朱印状をうけ、以後代々の将軍より朱印状をうけた。当社は中央に天神社、むかって右側に大己貴命(おおなむちのみこと)を祭神とする大鍬(おおくわ)神社(海津三町の氏神)、むかって左側に天押足彦命(あめのおしたらひこのみこと)を祭神とする小野神社(西浜の氏神、式内社)、この本殿3社は1700年(元禄13)の造営。1881年(明治14)2月郷社に列せられる。境内には大前(おおさき)神社(式内社)遙拝所および、恵比須社、愛宕社、八坂社、稲荷社、貴船社、国狭土(くにさつち)社、金刀比羅社がある。(中略)また重要文化財に指定された1325年(正中2)奥書の法華経10巻、県指定文化財の狩野山楽筆の絵馬2面、(寛永2年<1625>)、長谷川左近筆36歌仙扁額6面(寛永13年<1636>)ともに江戸初期、1343年(康永2)銘の鰐口、明治初年に琵琶湖を就航した最初のスクリュー船「湖上丸」の扁額などの宝物が多い。(河原喜久男)」とあります。なお、高島郡マキノ町大字海津字上尾は現在高島市マキノ町海津になっています。
参考資料: 1 滋賀県百科事典 滋賀県百科事典刊行会∥編 大和書房 1984年 S-0300- 84 p.142,
参考資料:
2 滋賀県神社誌 滋賀県神社庁∥編 滋賀県神社誌編纂委員会 1987年 S-1700- 87 p.573,
参考資料:
3 近江・若狭・越前寺院神社大事典 平凡社∥編集 平凡社 1997年 S-1600- 97 p.135,
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