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東山植物園のドーム型温室の設計者、設計モデルについて知りたい。(名古屋市鶴舞中央図書館)

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温室(前室)の設計は名古屋市建築課の技手の一圓俊郎らが担当し、昭和11年に着工され、翌年竣工しました。この温室はロンドン郊外にあるキュー・ガーデンズの温室を手本にしたとされています。成立過程と温室の設計等については富屋均著『東山植物園の成立過程と温室の構想・設計について』が最も詳しく書かれています。 回答プロセス:(1)名古屋市東山動植物園発行の『ひがしやま』を調べてみると、創刊号に温室前館が平成18年12月19日に国の重要文化財に指定されていることがわかりました。 (2)名古屋市内の建築物なので、目次情報の検索が可能な財団法人名古屋都市センターの「図書/雑誌(全資料)横断検索」で検索してみると、『官庁建築家名古屋市建築課の人々とその設計』などの資料が見つかりました。同書を確認してみると、温室に関わった技師や製図者の名前や施工を請け負った会社などが書かれていました。設計モデルについても「ロンドン郊外にあるキューガーデンの温室を手本にしたとされる」とありました。 (3)また、『官庁建築家名古屋市建築課の人々とその設計』の参考資料に挙げられていた『近代建築史と共に歩んだ足跡』を調べてみると、「当時の工事関係者の写真」(集合写真)などがありました。 (4)確認のため「キューガーデン」についても調べてみると、ロイヤル・ボタニック・ガーデンズ、キュー(Royal Botanic Gardens, Kew 通称「キュー・ガーデンズ」)にはキューを代表する三つの温室(パーム・ハウス、テンパレート・ハウス、プリンセス・オブ・ウェールズ・コンサバトリー)があることがわかりました。このうち、キュー・ガーデンズを代表する建物であるパーム・ハウスが東山植物園の温室と同様に丸みを帯びた形状をしていますが、パーム・ハウスが直接のモデルであることを示す資料は見つかりませんでした。 参考資料:『ひがしやま』 東山公園協会 創刊号(平成19年7月) p.23, 参考資料:『官庁建築家名古屋市建築課の人々とその設計』 瀬口哲夫/著 C&D出版 2009年 p.164-169 (植物園温室図面内容一覧(図面名称、技師、製図者など)があります。), 参考資料:『近代建築史と共に歩んだ足跡』 [北川組/編] 北川組 2001年 p.76-77 (「当時の工事関係者の写真」などがあります。), 参考資料:『名古屋特輯号(公園緑地 第1巻第5号)』 公園緑地協会公園緑地 1937年 p.28-30 (「東山植物園温室正面図」、「東山植物園温室平面図」があります。), 参考資料:『復刻土木建築工事画報 第14巻上』 土木学会/監 アテネ書房 1995年 p.76-81, 参考資料:『イギリス庭園紀行 上』 日経BP企画 2006年 p.62-71, 参考資料:『東山植物園の成立過程と温室の構想・設計について』 富屋均[著] [富屋均] [2013], (日本植物園協会誌 第48号2013年11月の抜刷)

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