1975年の『現代用語の基礎知識』に「ライフライン」について記載がありました。それ以前の年代のものには記載がないため、日本で「ライフライン」という言葉が使われるようになったのは1975年頃だと思われます。
回答プロセス:(1)『コンサイスカタカナ語辞典 第4版』(三省堂, 2010年)で「ライフライン」をひくと、“[life line]①命綱。救難索。②死活にかかわる生命線。生活線。物質補給路、都市生活を守る電気、ガス、水道などの供給線についてもいう。<現>”とあり、凡例に<現>の表記は昭和21年以後~平成にかけて入ってきた言葉であると書かれていました。
(2)『カタカナ・外来語/略語辞典』(自由国民社, 2006年)で「ライフライン」をひくと、“英語では1971年のカリフォルニア州サンフェルナンド地震の後この意味で専門家により使われ始めたが、一般語ではない”とあり、1971年から使われ始めていたことがわかりました。
(3)1971年以降の『現代用語の基礎知識』を順に調べていくと、1975年のものに初めて「ライフライン」が記載されていました。それ以前の『現代用語の基礎知識』には記載がなかったため、日本で「ライフライン」という言葉が一般的な用語として普及したのは1975年頃ではないかと思われます。
(追記)『都市ライフラインハンドブック』p.3に以下の記述があります。
「1975年に開催された米国の地震工学会議においてM.Duke教授がライフライン地震工学を提唱したことが上下水道や電力などのシステムをライフラインと呼称する契機となった」
参考資料:『カタカナ・外来語/略語辞典 全訂(第3)版』 堀内克明/監修 自由国民社 2006年 p.708,
参考資料:『コンサイスカタカナ語辞典 第4版』 三省堂編修所/編 三省堂 2010年 p.1175,
参考資料:『現代用語の基礎知識 1975』 自由国民社 1975年 p.1235,
参考資料:『都市ライフラインハンドブック 上下水道・都市ガス・電力・情報通信施設とその共同溝の設計・施工・保全・環境・防災技術』土木学会/編 丸善 2010年 p.3,
↧