『滋賀県百科事典』によりますと、概要は「大津市比叡辻2丁目の湖畔にある天台宗寺院。寺伝よると790年(延暦9)最澄が、この地に自刻の地蔵菩薩を本尊とした地蔵教院を建立し、衆生済度の寺としたのがはじまりという。1001年(長保3)比叡山横川の恵心僧都源信が入寺し念仏道場とした。源信が紫雲のなかに弥陀聖衆の来迎を感得して紫雲山聖衆来迎寺とあらためたとつたえる。その後の1527年(大永7)、真玄(しんげん)が中興する。真玄は近江守護六角高頼の5男高信で19歳で出家し、横川の首楞厳院(しゅりょうごんいん)で修行したのち当寺にはいり再興した。1566年(永禄9)に元応寺末寺日光寺から真雄(しんゆう)が住持として入寺。元亀の織田信長の山門焼打ちのとき真雄は、本尊・寺宝類を対岸の中主町の兵主(ひょうず)神社へうつして難をのがれている。1573年(天正元)には京都の岡崎付近にあった元応国清寺の本尊および什物を当寺にうつしている。その後も元応国清寺の堂舎の一部を当寺に移築し、円頓戒相承の元応寺道場とした。江戸時代の1631年(寛永8)以降、当時の貴重な什物類を各地で開帳、天海僧正もそれに尽力し、その開帳の成功を背景に1638年(寛永15)から堂舎の造営・修復が大々的に行われている。なお、当寺は比叡山の正倉院とよばれるほど寺宝類が豊富で、8月16日の「虫干し会」はとくに著名である。(後略)(木村至宏)」とあります。
参考資料: 1 滋賀県百科事典 滋賀県百科事典刊行会∥編 大和書房 1984年 S-0300- 84 p.392,
参考資料:
2 近江・若狭 小学館 1991年 S-1800- 91,
参考資料:
3 近江路の古寺を歩く 大石真人∥著 山と渓谷社 1997年 S-1800- 97,
参考資料:
4 図説近江古寺紀行 木村至宏∥著 河出書房新社 1995年 5-1800- 95,
参考資料:
5 古寺巡礼近江 1 聖衆来迎寺 淡交社 1980年 S-1800-1,
参考資料:
6 日本名刹大事典 圭室文雄∥編 雄山閣出版 1992年 R-1859-タ,
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