回答プロセスより,原作は,
『ピーターとウェンディ(Peter and Wendy)』(1911年出版)が,戯曲に近いものと思われる。
『ピーター・パンとウェンディ(Peter Pan and Wendy)』(1915年出版)は,上記資料(1911年出版)の割愛版と思われる。
上記の情報をもとに,翻訳を探す。
①『図説子どもの本・翻訳の歩み事典』(子どもの本・翻訳の歩み研究会/編 柏書房)
p64 no.153「ピーター・パン物語」(バリー作 河井鞠子訳 『女学生』1月-7月 研究社 1922(大11) イギリス)
「戯曲『ピーター・パン』を小説化した『ピーター・パンとウェンディ』の初訳。」とあり。
→所蔵・所収とも京都府内で見つけられず。(③に一部抜粋あり)
p75 no.191『ピーターパン』(バリー作 菊池寛、芥川竜之介訳 小学生全集34 興文社・文芸春秋社 1929(昭4) イギリス)
「『ピーターとウェンディ』を,原作の章立通りに丁寧に訳出。」とあり。
→京都府内図書館所蔵あり。取寄せて提供。(③に一部抜粋あり)
p120 no.409『ピーター・パン』(バリー作 厨川圭子訳 少年文庫85 岩波書店 1954(昭29) イギリス)
「小説『ピーターとウェンディ』を忠実に翻訳したもの。」とあり。
→改版(1986年),新版(2000年)とも京都市図書館所蔵あり。提供。
②『児童文学翻訳作品総覧 2 イギリス編』(川戸 道昭/編集 大空社)
p559~593【バリー編】[翻訳作品別目録]項より p578[ピーター・パン(戯曲)]
「ピイタアパン」(昭和5年10月 沢村寅二郎訳 第一書房 近代劇全集42 英吉利篇)
→京都府内図書館所蔵あり。取寄せて提供。
「ピーター・パン」(昭和7年12月 狩野弘子著 春陽堂 春陽堂少年文庫87)
→所蔵・所収とも京都府内で見つけられず。
③『図説児童文学翻訳大事典 第3巻(原作者と作品)』(児童文学翻訳大事典編集委員会/編 大空社)
p642~656【バリー編】より p645~656[ピーターとウェンディ Peter and Wendy (1911)]
翻訳本を初訳から紹介。一部抜粋が載っている。原作にどの程度忠実かは,記述からは読み取れなかった。
【初訳】
「ピーター・パン」(赤い鳥の本8『苺の国』)楠山正雄著 清水良雄絵(大正10年8月、赤い鳥社)
【その後の翻訳】
「ピーター・パン物語」河井鞠子訳 池内愚美絵(『女学生』大正11年1月~7月)
『ピーターパン』(国際童話撰集1)荒木滋子編 多ケ谷信乃絵(大正15年5月,国際情報社)
『ピーター・パン』(世界家庭文学名著選12)村上正雄訳(昭和2年5月,春秋社)
「ピーター・パン」(バアリイの劇による)鈴木三重吉訳 深沢省三絵(『赤い鳥』昭和2年5月~10月)…挿絵も抜粋あり。
→『赤い鳥 複刻版 VOL.18-19』(日本近代文学館)に所収あり。提供。
『ピーター パン』(小学生全集34)菊池寛・芥川龍之介共訳 一木弴絵(昭和4年4月,興文社・文芸春秋社)…口絵も抜粋あり。
『ピーター パン』(英文名作文庫第4輯第9巻)三好十郎訳注(昭和4年10月,英文学社)…「Miss May byron の再話本 Peter Pan and WEndy による」
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