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以前何かの本で「明治初期に軍隊で使われていたものが民間に払い下げされ、大阪で流行したことがあった」ということを読んだ記憶があるが、書名などが不明でその本が探せない。 『新修大阪市史』第四巻に、東山道鎮台と西海道鎮台を廃して明治4年8月に東京・大阪・鎮西・東北の四鎮台が設置された際に、各藩の常備兵が解散し兵器がすべて鎮台に移管されたことが書かれており、この頃かと推定するものの、払い下げに関する記述は見当たらない。

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探している資料と同一かはわからないが、明治期の軍からの払下げ品についての記載が見つかった資料は次のとおり。 『日本洋服沿革史』(大阪洋服商同業組合/編纂 大阪洋服商同業組合 1930) p.123~124に、西南戦争後に陸軍および警察方面の払下服を入札して買い分けた「分取屋」と言われる古服業者について記載されている。 『上方の研究 第一巻』(清文堂出版 1972)【328/701】に収録されている「大阪洋服業の成立過程」(高橋久一・著)のp.191では、西南の役が大阪における最初の洋服ブームであり、戦後には軍人の古服が大量に放出され、これを入札して買い取る「払い下げ屋」(「分取屋」ともいわれた)という新商売が生まれたことが書かれている。また、その後「払い下げ屋」の一団が勢力を伸ばし、商勢を振った旨が記載されている。 『上方の研究 第四巻』(清文堂出版 1976)に収録されている「大阪洋服業の発展過程」(高橋久一・著)のp.353~354には、日露戦争後は軍服の払い下げ品はあまり売れ行きがよくなく、いわゆる「分捕屋」が洋服製造業や既製服の小売りに従事するようになった内容が記載されている。  また、中込省三「衣服産業のはじめ」(国連大学 人間と社会の開発プログラム研究報告)の論文がWeb上に公開されている。 http://d-arch.ide.go.jp/je_archive/pdf/workingpaper/unu_jpn80.pdf p.46~47に、明治期の大阪で、軍服・軍帽・軍靴などの払下げ品を扱った払い下げ屋が「商勢を伸展」させた旨が記載されている。

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