『蕪村事典』の「発句評釈一覧」を参照して解釈・意味が載っている資料を探したところ下記1-5が該当した。
また、『蕪村事典』刊行後に出版された資料からは6を見つけることができた。
1.『蕪村句集講義 夏の部』 p121-122(『蕪村研究資料集成 作品研究6』所収)
鳴雪 碧梧桐 虚子それぞれの解釈が載っている。
2.『蕪村夢物語 夏の部』木村架空著 p132-134(『蕪村研究資料集成 作品研究6』所収)
鳴雪 碧梧桐 虚子の解釈を批判しながら著者の解釈を展開している。
3.『標註蕪村俳句全集』岩本梓石編著 p107
(いづこ河内)山崎街道などの光景ならん
4.『蕪村集』(日本古典文学大系 58) p109
質問の句の頭注は以下の通り。
○狐火―闇夜山野に見える燐火。鬼火とも。はるかに狐火を見て、たしかあの辺りは
河内の麦畠のはずだと推す体。河内という地名を蕪村は度々よんでいる。
5.『与謝蕪村集』(新潮日本古典集成) p92
頭注欄に発句の現代語訳と鑑賞注が載っている。
現代語訳:河内平野には黄熟した麦の香が立ちこめ、彼方の山麓に青い狐火がちらつく。あれはどこだろうか。
6.『蕪村全集 第1巻』 p313
頭注欄に季語、語釈、句意、参考事項が載っている。
句意:河内平野を埋めた一面の麦畑。黄熟した穂波は夜の闇を透かして狐の群舞を思わせる。河内には信田の狐の元へ通った塚本の狐もいたと
いう が、さて狐火はどこに燃えているかしら。
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