お尋ねの事項について回答します。【】内は当館請求記号です。
第一次大戦中の日本からフランスへの渡航者に関する情報が載っている資料として、以下(1)、(2)の資料を紹介します。
なお、どちらの資料ともに国立国会図書館デジタル化資料(http://dl.ndl.go.jp/)で全文がインターネット公開されています。
(1)『旅券下付数及移民統計 : 明治元年~大正9年』 外務省通商局 1921.9. 【DC812-151】
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1906396
pp.104~113 に掲載されている「(第三表)渡航地及目的別旅券下付人員」に、第一次世界大戦中(大正3年~大正7年)の渡航地及び目的別の旅券下付人員が男女別で記載 されています。渡航地の中にはフランス(佛蘭西)の項目もあり、該当期間に日本からフランスに向かう旅券を下付された人員がわかります。また渡航目的は、 公用、修学、農業、商業、漁業、観察、雑、移民の8つに分かれています。なお、当時の旅券下付人員数がそのまま渡航者数にあてはまるかどうかはこの資料からはわかりません。
(2)『海外渡航及在留本邦人統計 : 大正八至昭和三年』外務省通商局 昭和5 【14.4-847】
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1442403
大 正8年から昭和3年までの海外渡航者と在留本邦人についてまとめた資料ですが、巻頭に外務省通商局によって、大正九年以前の海外渡航及び在留本邦人の統計については、大正十年九月編纂の『旅券下付数及移民統計』に記載されている旨の一文があります。ここにあげられる『旅券下付数及移民統計』は(1)の資料であり、外務省通商局が(1)における旅券下付数を海外渡航者数とみなしていることが判断できます。また、この資料のpp.1~3に掲載される「第1表 本邦人海外渡航者員數年表」では、大正3年から大正7年までの日本からの海外渡航者数の総計を確認することができますが、この数値は(1)の資料の「(第 三表)渡航地及目的別旅券下付人員」における大正3年~大正7年までの旅券下付人員総数と同じ数値になっています。
(その他調査済資料)
・『日本帝国統計年鑑』35巻~39巻 中村隆英復刻版監修 東洋書林 1997【DT31-G1】
*大正3年から大正7年までの巻ですが、各巻にその年の「渡航地及目的別旅券下付人員」の表が掲載されています。
・『日本長期統計総覧.第1巻』日本統計協会 2006【YU7-H3670】
・『国勢調査以前日本人口統計集成』16巻~18巻 内閣統計局編纂 東洋書林1993【DT221-E116】
・『出入国管理の回顧と展望 : 入管発足30周年を記念して. 昭和55年度版』 法務省入国管理局 1981 【AZ-631-7】
・柳下宙子「戦前期の旅券の変遷〔含 史料〕 」(『外交史料館報』(通号 12) 1998.06 pp.31~59 【Z1-442】)
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