日本の古典(江戸時代までに書かれた本)の探し方をご案内します。資料名の後は東京都立中央図書館の請求記号です。*☆印から始まるタイトルは、年鑑・年報類です。
*階の表示で(1階)とあるのは、1階ホールにもある資料です。
1 『国書総目録』の利用法 と 関連図書
『国書総目録』 補訂版 全9巻 (岩波書店 1989-1991) [R0251/3002/1~9] 1階
日本の古典をさがす場合にまず参照する資料です。 国初から慶応3年までに日本人の著編撰訳した50万を超える和文・漢文書籍の総合目録です。 なお、原則として一枚の書画、絵図、地図、古文書、拓本などは収められていません。
50音順書名を項目に、別称・分類・著編者・成立などの記述のあと、所蔵先や活字版の情報が 下記の記号を用いて記されています。
(写) 写本(手で書き写した本)の所蔵先
(版) 版本 (版木で刷られた本) の所蔵先
(活) 活字翻刻本(明治以降に活字で印刷された本)の情報
第8巻は「叢書目録」と「補遺」、第9巻は「著者別索引」です。
この補訂版では、旧版発刊以来判明した追加・訂正を行い、「・」「○」「◎」等の記号を用いて「補遺」や続編となる 『古典籍総合目録』中の同じ項目に導かれます。
『国書総目録』本体で求める資料が見当たらない場合は、「第8巻」の「補遺」や 『古典籍総合目録 国書総目録続編』もお調べください。
目録中の所蔵先は旧版発行当時の情報のため、各巻の巻末にある「図書館・文庫一覧」で最新の所蔵先の確認が必要です。
◆『国書総目録』に所蔵先が (日比谷) とあるものは・・・・・
旧・東京都立日比谷図書館所蔵資料で、現在は東京都立中央図書館5階の特別文庫室で所蔵しています。
【記載例】 (日比谷 加賀) → 加賀文庫
(日比谷 東京) → 東京誌料
(日比谷 諸家) → 特別買上文庫
◆資料はすべて閉架書庫となります。OPAC検索できるものは限られていますので、記載されているコレクション(文庫)の冊子目録でお調べください。
◆東京都立図書館ホームページ上でHTMLにより目録を公開しているコレクションもあります。
活字本の刊行を確認できた資料は、書名や著者名などから図書館の検索パソコンで所蔵をお調べください。
活字本の情報がないものについては4.日本の古典をさがすための主な資料 をご覧ください。
『古典籍総合目録 国書総目録続編』 全3巻 (岩波書店 1990) [R0251/3003/1~3] 1階
『国書総目録』の編集形態をほぼ踏襲した続編にあたります。国文学研究資料館が作成している古典籍総合データベースの昭和63(1988)年度入力分まで約43,000点を収録しています。
なお、この『古典籍総合目録』には活字化されたものの情報は収録されていません。
『国書人名辞典』 全5巻 (岩波書店 1993-1999) [R2813/3098/1~5] 3階
『国書総目録』収録の著編者のうち、伝記が判明した人物約3万人について解説した辞典です。
◆ 国文学研究資料館ホームページで「日本古典籍総合目録」を2006年から公開しています。( http://base1.nijl.ac.jp/~tkoten/about.html )
「著作」「著書」「書誌」の3つのデータベースが検索できます。検索結果には「国書総目録」のデータかどうかを5つの段階に分けて明示し、データの出処の正確さを期しています。
2 著者名のヨミがわからない場合
『日本史人名よみかた辞典』 (日外アソシエーツ 1999) [R2813/3274/99] 3階
名前のヨミのわからない歴史上の人物について、ヨミを調べるのに便利です。 他に、CD-ROM版[PR281.03/5068/2002](書庫)があります。
3 書名のヨミがわからない場合
書名のヨミがわからないものは画数から引ける「字画索引」のある次の資料をご覧ください。
『日本古典文学大辞典 第6巻』 (岩波書店 1985) [RJ033/21/6] 3階(1階)
『古典文学作品名よみかた辞典』 (日外アソシエーツ 2004) [R910.33/5007/2004] 3階
『全集・叢書細目総覧 古典編索引』 (紀伊国屋書店 1977) [R0270/2/2] 1階
『世界名著大事典 第16巻』 オリジナル新版 (平凡社 1987) [R0250/3002/16] 1階
『国書読み方辞典』 (おうふう 1996) [DR0251/3020/96] 1階
4 日本の古典をさがすための主な資料
『日本古典籍書誌学辞典』 (岩波書店 1999) [R020.2/5002/1999] 3階
近世以前の和書や関連のある漢籍に関する書誌学用語を中心に、古写本、古筆、書肆、 蔵書家名などを項目として採録した辞典です。「古典籍便覧」としても活用できます。 事項、人物、作品等約3,400項目の50音順配列となっています。
『全集・叢書細目総覧』 全3巻 (紀伊国屋書店 1973-1989) [R0270/2/1~3] 1階
国立国会図書館が所蔵する明治以降に刊行された全集・叢書に収録されている日本人の手になる 資(史)料の細目集成です。配列は全集・叢書名の50音順になっており、内容の細目(作品名)を 国立国会図書館の請求記号とともに総覧できます。
「古典編索引」では「第1巻古典編」収録の資(史)料が索引化され、それぞれがどの全集・叢書に収められているかを知ることができます。巻末に難読索引もあります。
「古典編 続」には、第1巻刊行以後の新たな内容細目総覧とその索引が収められています。
「第1巻古典編」には1970年までに、「古典編 続」には1971年~1985年までに刊行された全集・叢書を収録し、合計約2,000種を数えます。
『世界名著大事典』 オリジナル新版 全17巻 (平凡社 1987-1989) [R0250/3002/1~17] 1階
古今東西のあらゆる分野の古典的な書物11,000点を厳選し、書名50音順項目のそれぞれに解説を加えた名著事典です。解説に続いて伝本や刊本が紹介されています。
第16巻は書名索引(50音順)、書名難読索引(画数順)、著者索引(50音順)、欧文索引から構成される「索引」巻となっています。 「補遺」には1960~80年代の新たな作家の作品が収録されています。
『古典文学 全集・翻刻書・研究書総目録』 (日外アソシエーツ 1996) [RJ031/3025/96] 3階
1868(明治元)年から1995(平成7)年までの128年間に日本国内で刊行された日本古典文学(古代~近世)に関する全集・翻刻書・復刻本・影印本・研究書・注釈書などを収録しています。児童書や受験参考書、問題集は除かれます。著者名索引と事項名索引があります。
『国文学複製翻刻書目総覧 正・続』 (日本古典文学会・貴重本刊行会→貴重本刊行会 1982,1989) [RJ031/26C/82,RJ031/26/2] 3階
慶応4年までに日本人の著編撰訳した書籍のうち、昭和20年8月から昭和61年12月までの 刊行になる国文学と国文学に関連のある書籍の複製・翻刻(復刊本を含む)を総覧した目録です。 昭和40年以降の国文学関連の活字本については、『国書総目録』以降の情報を補うことができます。 書名のヨミの50音順配列、巻末には「収載叢書全集一覧」「収載雑誌紀要一覧」があります。
『日本古典文学大辞典』 全6巻 (岩波書店 1983-1985) [RJ033/21/1~6] 3階(1階)
近世末までの国文学全般、国語学、関連分野の研究成果を集成編纂した辞典です。
事項、人物、作品、編著等の項目が50音順に約13,000項目収載され、作品、編著の項目では、 複製・翻刻が紹介されています。第6巻に総索引および難読訓一覧があります。
『日本古典文学大事典』 (明治書院 1998) [RJ033/3015/98] 3階(1階)
上代より近世までの日本古典文学と隣接分野を対象とし、主要な作者名・芸能者名・書名・作品名・ 事項など約8,000項目を50音順に収録しています。
翻刻・影印・複製については資料として有効なものを、参考文献については 主要なもの最新のものを採り上げています。
『日本古典文学全集・内容綜覧』『日本古典文学全集・作品名綜覧』 (日外アソシエーツ 2005) [R910.31/5010/2005,R910.31/5011/2005] 3階
『内容綜覧』は昭和20年から平成16年までに刊行が完結した全集104種1,904冊から43,899件の古典文学作品、 解説・資料類を記載した内容細目集です。『内容綜覧』の作家名索引と、作品名を50音順編集した 『作品名綜覧』によって収録されている全集をたどれます。和歌・俳句、書簡等は含みません。
『研究資料日本古典文学』 全12巻 (明治書院 1983-1985) [J020/138/1~12] 書庫
日本古典文学解題事典です。第1巻物語文学 第2巻歴史・歴史物語・軍記 第3巻説話文学等のジャンル別に 編成されています。作品ごとに成立・概観・梗概のほか、諸本・翻刻・復刻情報を記し、 主要作品については原文の一部を引用、通釈を加え、文学鑑賞講座的な面も備えています。
『日本古典文学研究史大事典』 (勉誠社 1997) [J036/3003/97] 3階 ([R910.36/5003/1997] 1階)
上代から近世に及ぶ古典文学の作品、作家、事項等についての研究史を集大成した事典です。 時代別・ジャンル別に構成した各項目中を概要、研究史、展望・問題点に分け、研究の指針となるよう解説しており、 影印・翻刻・注釈、参考文献情報が記されています。
『日本随筆辞典』 (東京書籍 1986) [RJ450/27/86] 3階
未刊・既刊を問わず江戸時代を中心に随筆約2,400点を収録し、解説した辞典です。 特定分野に重点をおいて記された随筆には地誌、風俗、医学等の分類が付されています。 各項目には写本・板本・自筆本の所在や翻刻の記載もあります。かな見出しの50音順配列、巻末に著者別書名索引。
『日記解題辞典』 (東京堂出版 2005) [R210.03/5040/2005] 3階
平安時代より江戸末期までの主要な日記500余を選び、基本的事項を解説した辞典です。
『日記文学事典』 (勉誠出版 2000) [R915.03/5001/2000] 3階
古代・中世を重点として上代から近世までの日記文学作品と関連する作品を対象に作品・作家・事項等を項目に立て解説した事典です。 各影印・翻刻・注釈・参考文献も記されています。巻末に項目索引。
☆『国文学年鑑』 (国文学研究資料館 1979-2007) [RJ031/13/77 ~ R910.31/13/2005] 3階
1年間の国文学関係研究文献の目録を収載した年鑑。 巻末の「翻刻複製作品一覧」(50音順)から本文目録で書誌情報を知ることができます。平成17年版で休刊。改題前の『国文学研究文献目録』 (1971-1978 [RJ031/13/71~76] 書庫)および 『国文学研究文献目録 昭和16年-昭和37年』 (1984 [DRJ031/50/84] 3階)もあります。
◆ 国文学研究資料館ホームページで「国文学論文目録データベース」を公開しています。( http://base1.nijl.ac.jp/~ronbun/ )
日本文学研究論文の総合目録データベース(大正・昭和・平成)で、論文は『国文学年鑑』の雑誌紀要単行本(論文集等)論文目録の作成方針に基づいて作成されています。翻刻複製作品は詳細検索の「翻刻・複製」の検索ボックスで検索できます。
『国史大辞典』 全15巻17冊 (吉川弘文館 1979-1997) [R2103/32/1~15-3] 3階
日本歴史の全領域を網羅、民俗学・国語学・国文学などの 隣接諸分野にも及ぶ歴史辞典で、かな見出しの50音順となっています。
主要な典籍・古文書・記録や書誌学・古文書学・史料学、史学史関係の項目も多数採取し、 各項目記述の最後に基本的な参考文献となる著書・論文・史料集が掲げられ研究の便が図られています。
第15巻は「索引」3冊からなり、上は「補遺と史料・地名索引」、中は「人名索引」、 下は「事項索引」となっています。
『日本史文献解題辞典』 (吉川弘文館 2000) [R210.03/5006/2000] 3階
上記『国史大辞典』の中から日本史を研究する上で重要な史料を 選びまとめた辞典です。新たな項目の追加や項目内容の改稿もあります。
配列はかな見出しの50音順で、巻末に典籍索引、人名索引、事項索引があります。
5 日本古典文学全集・叢書
◆ 比較的新しいもの、調べやすいものをあげました
(1) 現代語訳・注釈のあるもの
『日本古典文学大系』 (注釈) (岩波書店 1957-1969) [J800/N6855/N1-1~ ] 総索引2冊 3階
『新日本古典文学大系』 (注釈) (岩波書店 1989-2005) [J800/3001/1~ ] 総目録・索引5冊 3階
『新日本古典文学大系 明治編』 (注釈) (岩波書店 2001-刊行中) [918.60/5008/1~ ] 3階
『現代語訳日本の古典』 (訳) (学習研究社 1979-1981) [DJ800/11/1~ ] 書庫
『完訳日本の古典』 (訳) (小学館 1982-1988) [J800/16/1~ ] 書庫
『新編日本古典文学全集』(注釈・訳)(小学館 1994-2002) [J800/3007/1~ ] 3階
(2) 影印・翻刻
『古典文庫』 (古典文庫 1946-2003) [J800/2/1~ ] 一部原典の写真版あり 総目録2冊のみ 3階 ほかは書庫
『複刻日本古典文学館』 第1期,第2期 (日本古典文学会,ほるぷ 1971-1985) [J800/9/1-1-1~ ] 原典を原寸で複製 書庫
◆『新潮日本古典集成』(新潮社), 『日本古典文学影印叢刊』 (貴重本刊行会)のように、都立中央図書館では、全集・叢書の場合でも揃い物として分類しないで、 各巻の主題で別々の棚に配置しているものがあります。
備考:「調べ方作成日」時点の情報です。最新版は東京都立図書館ホームページでご確認ください。知っていると便利 日本の古典をさがす
http://www.library.metro.tokyo.jp/reference/benri_series/tabid/371/Default.aspx
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