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服装は通常のものであるが、右手に刀(剣)を持っている大黒天像を以前下仁田の大こく神社(妙義山中之嶽神社)で見たことがある。 このような大黒天に関する資料を探している。三面大黒に剣を持った像があるが、それとは異なり大黒天一神のもの。(埼玉県立久喜図書館)

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中之嶽神社のホームページに以下のような情報が掲載されていた。 中之嶽大国神社は、大黒天ではなく大国主命を祀った神社である。大国主命からも調査したが、大黒天との関係については言及があるものの、不動明王との関係について記述した資料は見あたらなかった。 また、大国主命と剣との関係を示すものとしては『古事記』に、素戔嗚尊から〈生太刀〉を与えられたとする記述があったが、剣を持った大国主命像についての資料は、発見できなかった。以下の情報を紹介した。 大国神社(妙義山中之嶽神社)の〈剣持だいこく〉について 《妙義山 中之嶽神社》のウェブサイトに質問の〈剣持だいこく〉が掲載されており、剣についての説明は以下のとおり。 「だいこく様のお姿は木槌を持っているのが一般的ですが、当社のだいこく様は、日本でも数社しかお祭りされていない、剣を持っているめずらしいお姿です。何故剣を持っているかにつきましては、不動明王とだいこく様が習合した姿と言われる説、中之嶽神社の神宝が剣であることから、だいこく様も剣を持ってという説があります。」 剣を持った大黒天像についての資料 『民間信仰辞典』(桜井徳太郎編 東京堂出版 1980)  p174〈大黒天〉の項には、以下の記述が見られる。 「古代インドではむしろ戦闘神として理解され、鬼神を降伏せしめるとともに、隠行飛行の術にたけ、また人間の生血を取るなどともいわれた。胎蔵界曼荼羅にある三面六臂、忿怒の相を持ち、手には剣、首には髑髏をかけるという大黒天像はこの種のものである。(中略)また大黒天が大国主命と混同されることがよくあるのは、大黒と大国の意が共通することに加え、天台・真言両宗からの働きかけも大きく作用したであろうと考えられている。」 大黒と大国主命の習合についての資料 『日本の神仏の辞典』(大島建彦〔ほか〕編 大修館書店 2001)  p225-227「大国主神」の項あり。  p226中段 「大国主神の神格」の項②に「素兎、赤猪、根の国の様々な師錬を通じて、また生太刀、生弓矢という生(活)かす呪具の所有と医薬禁厭の法の制定伝受の巫医王的神格」と、「太刀(剣)」との関連が伺える記述あり。  p226中段-下段 大黒天との習合について記述あり。  p771-772 「大黒」の項中に「大国主命との習合、およびエビスとの並祀」の項あり。 大国主命についての資料(剣に関する記述のあったもの) 『国史大辞典 8』(吉川弘文館 1987)  〈素戔嗚尊〉の項p92bによると、「『古事記』では、この神は根の国(死者の国)の王者となり、大国主命にいろいろな試練を与え、最後に生太刀(いくたち)・生弓矢(いくゆみや)・天詔琴(あめののりごと)を与えて、葦原国(日本国)の王者ならしめる。」とある。 『国史大系 7 古事記』(黒板勝美、国史大系編修会編輯 吉川弘文館 1966)  p28「即取持其大神之生大刀与生弓矢。」とある。 『日本神さま事典』(三橋健編・著 白山芳太郎編・著 大法輪閣 2005)  p174-177「神話の中の大国主大神」の項あり。「素戔鳴尊が与えた試練に耐えて、生太刀・生弓矢・天沼琴を手に葦原中国に戻った大国主神は」との記述あり。  剣を持つ大黒天に関する資料 『大黒天変相 仏教神話学 1』(彌永信美著 法蔵館 2002)  p300-305「1 日本の大黒天の四つの像容」の項あり。  p611-613「C 万歳天と大黒天」の項あり。剣については言及なし。 『大黒信仰 民衆宗教史叢書 29』(大島建彦編 雄山閣出版 1990)  p39「慧琳音義」が引用され、「右第三手把剣」とある。 『身辺図像学入門 朝日選書 646』(岡泰正著 朝日新聞社 2000)  p14「大黒天は、マハーカーラという古代インドの暗黒の神、仏教を守護する戦闘神だった。(中略)もともとマハーカーラは髑髏の首飾りをつけ、剣を持つ恐ろしい姿で表わされていた。」  p16 左手に宝棒を持つ「大黒天半跏像」(滋賀・金剛輪寺)の写真あり 剣を持つ三面大黒天に関する資料 『三面大黒天信仰』(三浦あかね著 雄山閣 2006)  本書で扱う〈三面大黒〉は、大黒天・毘沙門天・弁財天の合体した姿。  p16「慧琳音義」の一節に剣に関する記述あり。「摩訶迦羅は梵語なり。唐にては大黒天神と云ふなり。(中略)右の第三手は剣を把り…」  p23 インド・エレファンタ石窟寺院のシヴァ神が剣を持っていると書かれており、摩訶迦羅がシヴァ神の化身であるという説が紹介されている。  p84-85 六大黒天の一つ〈王子迦羅大黒〉が、「右手に剣、左手に三鈷を持っている。」とあり。また、〈比丘大黒〉も、左手に剣を持つ。(出典『仏像図彙』)  p183 比叡山延暦寺の三面大黒天の持ち物について記述あり。「正面の大黒天は左手に宝珠、右手に剣を持つ。」とある。  『大黒天信仰と俗信』(笹間良彦著 雄山閣出版 1993)  p11-45「第1章 大黒天とは」に、大黒天像の変容が書かれている。  剣を持った大黒天の記述は見あたらない。ただし、カバー裏に剣らしきものを持った三面大黒天のイラストあり。 『福神』(喜田貞吉著 宝文館出版 1976)  p167-196「大黒神像の変遷」あり。剣については、大黒天の元であるインドのマヘシュバラが三面六臂でそのうちの二手が「降魔の剣」を持っているという記述がある。  p197-221「大黒神考」大国主命との関連についての記述が多くあるが、剣については記述なし。 回答プロセス:インターネット情報で、質問者が見たという大黒天を特定した。 〈大黒天〉に関する資料を調査した。 質問者が見た大黒天を祀っている神社が大国主命を祀っていること、大黒点が大国主命と習合されることから、〈大国主命〉に関する資料を調査した。 質問者が見た大こく神社(中之嶽神社)に関する資料を調査した。 中之嶽神社関連調査資料(いずれも記述はなし) 『妙義山 歴史と信仰の山 周辺のドライビングスポット』(あさを社 1993) 『群馬県の歴史散歩 歴史散歩 10』(群馬県高等学校教育研究会歴史部会編 山川出版社 2005) 『日本歴史地名大系 10 群馬県の地名』(平凡社 1987)  p251に〈中の嶽神社〉の項あるが、大黒像についての記述はなし 『群馬県史 資料編』27、28(「民俗」2と3)(群馬県史編さん委員会編 群馬県 1980)  27には、福神信仰の記述あるが、剣を持った大黒についての記述なし。  28には、年中行事の中のエビス講に関する部分に大黒も出てくるが、手がかりはなし。 『下仁田町史』(下仁田町史刊行会編 下仁田町 1971)  中之岳神社、大国神社(大こく神社とも呼ばれるとあり)の項あるが大黒像についての記述はなし。 参考資料:『民間信仰辞典』(桜井徳太郎編 東京堂出版 1980), 参考資料:『日本の神仏の辞典』(大島建彦〔ほか〕編 大修館書店 2001), 参考資料:『国史大辞典 8』(吉川弘文館 1987), 参考資料:『国史大系 7 古事記』(黒板勝美、国史大系編修会編輯 吉川弘文館 1966), 参考資料:『日本神話の英雄たち』(林道義著 文藝春秋 2003), 参考資料:『日本の神様を知る事典』(阿部正路監修 日本文芸社 1986), 参考資料:『日本神さま事典』(三橋健、白山芳太郎編著 大法輪閣 2005), 参考資料:『大黒天変相 仏教神話学 1』(彌永信美著 法蔵館 2002), 参考資料:『大黒信仰 民衆宗教史叢書 29』(大島建彦編 雄山閣出版 1990), 参考資料:『身辺図像学入門 朝日選書 646』(岡泰正著 朝日新聞社 2000), 参考資料:『三面大黒天信仰』(三浦あかね著 雄山閣 2006), 参考資料:『大黒天信仰と俗信』(笹間良彦著 雄山閣出版 1993), 参考資料:『福神』(喜田貞吉著 宝文館出版 1976),

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