『滋賀近代文学事典』によりますと、読み方は「いけだ・ひろし」で、略歴は「1940・6・20~。ドイツ文学者。大津市北別所町(現尾花川)生まれ。1959年(昭和34)慶応義塾高等学校卒業。68年慶応義塾大学大学院文学研究科ドイツ文学専攻博士課程修了。同年4月京都大学教養部助教授、90年教授。2004年京都精華大学教授。(中略)1967年9月エルンスト・フィッシャー『時代精神と文学』(合同出版)の翻訳を刊行。68年2月ルカーチ『ルカーチとの対話』(合同出版)を刊行。同年ドイツ文学振興会奨励賞を受賞。1975年10月から76年10月にかけて、『ルカーチ初期著作集』全4巻の編訳を三一書房から刊行し、ルカーチの本格的な研究を始める。『ファシズムと文学ーヒトラーを支えた作家たち』(78年4月、白水社)、『抵抗者たちー反ナチス運動の記録』(80年9月、TBSブリタニカ)、『表現主義論争』(88年2月、れんが書房新社)などファシズム下のドイツ文学に関心を寄せるほか、ブロッホ、カフカに関する著作、さらに日本の大衆小説と読者の関係を本格的に論じた『大衆小説の世界と反世界』(83年10月、現代書館)がある。そのほか『文化の顔をした天皇制』(86年11月、社会評論社)、『死刑の「昭和史」』(92年3月、インパクト出版会)など、反権力の立場から天皇制、左翼運動、死刑制度、転向、など多岐にわたる著作がある。近年は、戦後責任、海外進出文学という新しい切り口で、『コメンタール戦後50年 第3巻戦争責任と戦後責任』(95年6月、社会評論社)、『「海外進出文学」論・序説』(97年3月、インパクト出版会)、『火野葦平論ー海外進出文学論第1部』(2000年12月、インパクト出版会)など、第二次大戦下のファシズム日本の文学、戦争責任問題について精力的な仕事を展開している。(後略)(北川秋雄)」とあります。
参考資料: 1 滋賀近代文学事典 日本近代文学会関西支部滋賀近代文学事典編集委員会∥編 和泉書院 2008年 S-9000- 08 p.21-22,
参考資料:
2 滋賀県人物・人材情報リスト 2011 日外アソシエーツ∥編集 日外アソシエーツ 2011年 LB-2800-11,
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