(1)日本古典文学大系 74 歌合集 岩波書店 1965.3
p.143 に次の内容あり。
「元真
18 としごとのはるのわかれをあはれともひとにおくるるひとぞしりける」
「毎年逝く春を惜しむ気持ちは誰も持ってはいるが、その春の暮れに家族に先立たれたものこそ、真に逝く春の悲しみを知るものだ。」
(2)日本古典文学大系 73 和漢朗詠集 岩波書店 1965.1
p.214 に次の内容あり。
639 としごとに春のわかれをあはれとも人におくるる人ぞしりける 清原元真(きよはらのもとざね)
(現代語訳)
「毎年毎年、春に別れるあの悲しみを、友人を見送るばかりで後にとり残された私は、一層痛切にその悲しみを知ることだの意。県召しの除目にもれた人の悲しみを読む。六三四と同じシテュエイション。」
(参考)
634 楊岐路滑らかなり 吾れ人を送ること多くの年 李門浪高し 人の我を送らむこと何れの日ぞ
(3)新編*日本古典文学全集 19 和漢朗詠集 小学館 1999.10
p.334に次の内容あり。
639 年ごとに春のわかれをあはれとも人におくるる人ぞ知りける 藤原元真(もとざね)
(現代語訳)
「毎年、行く春のころ、国司として任地に赴く人と別れるのはしみじみと悲しく思うことだが、他人にとり残されて、今年も都にとどまっている自分だと思うといっそうつらい。」
回答プロセス:(1)次の資料に掲載なし
・『日本古典文学大系別巻 日本古典文学大系索引 (1巻-66巻) (9180/N5/1-101)』※『日本古典文学大系』第1期(1巻-66巻) 分
「和歌・俳句・歌謡索引」に「年ごとの」で始まるものなし。
・三省堂名歌名句辞典 佐佐木幸綱/編 三省堂 2004.9
・日本秀歌秀句の辞典 小学館辞典編集部/編集 小学館 1995.3
・ (通解)名歌辞典 武田祐吉/著 創拓社 1990.11
(2)書名に「元真集」を含む資料として次のものがあるが、毛筆で書かれていて、意味や解釈はなし。
・冷泉家時雨亭叢書 第22巻 平安私家集 9 冷泉家時雨亭文庫/編 朝日新聞社 2002.4
・冷泉家時雨亭叢書 第66巻 資経本私家集 2 冷泉家時雨亭文庫/編 朝日新聞社 2001.6
・冷泉家時雨亭叢書 第69巻 承空本私家集 上 冷泉家時雨亭文庫/編 朝日新聞社 2002.8
(3)なお、国歌大観には意味は掲載されていないし、索引が分冊されていて調べづらい
(4)典拠検索新名歌辞典 中村薫/編 明治書院 2007.7
※p.417にこの歌の出典等に関する次の情報があるが、意味や解釈はなし。
[元真集・191・藤原元真] 金玉集・67、三十六人撰・116、深窓秘抄・89、和漢朗詠集・下・639、前十五番歌合18
(5)09/6/11 近畿大学中央図書館さまより、次の資料に収録されていることをご教示いただいた。
・新編*日本古典文学全集 19 和漢朗詠集 小学館 1999.10
p.334に現代語訳あり
(6)次の資料を見落としていたことに気づいた。
・『日本古典文学大系 別巻 日本古典文学大系索引(67巻-100巻) (9180/N5/1-102)』※『日本古典文学大系』第2期(67巻-100巻) 分
「初句索引」に次の情報あり。
・年ごとの はるのわかれを 歌合143(朗詠214)
・年ごとに 春のわかれを 朗詠214(歌合143)
寄与者:近畿大学中央図書館
備考:※「日本古典文学大系別巻 日本古典文学大系索引」で
短歌の現代語訳などを調べるとき、
必ず次の2冊を確認すること。各巻で索引の構成が違うので注意。
・(1巻-66巻) (9180/N5/1-101)
・(67巻-100巻) (9180/N5/1-101)
定番事例
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