福寿寺は近江八幡市馬淵町岩倉にあります。『滋賀県百科事典』によりますと、概要は「(前略)像高106.5cm。像の幹部は頭体をとおしてカヤ系の一材からつくり、耳後をとおる線にて前後に割矧ぎ、内刳(うちぐり)をほどこしている。頭上の化仏や脇手などは後補。素地仕上げ。胎内には松枝双雀鏡、印仏、籾が納入されていた。像内前面に千手千眼陀羅尼、同背面に造像銘が墨書され、1170年(嘉応2)に仏師僧長順により造立され、在地豪族の中原貞俊をはじめ、女性や子供もふくめた一族の長寿、弥勒の下生をねがっていることは、当時の人びとの信仰を知るうえで注目される史料となろう。条帛(じょうはく)や裳など着衣の彫りからは平安時代後期の作風がうかがえるが、厳しさをました風貌や体部の量感表現は、次代の鎌倉彫刻への移行期にさしかかっていることを物語っていよう。重要文化財。(佐々木進)」とあります。
参考資料: 1 滋賀県百科事典 滋賀県百科事典刊行会∥編 大和書房 1984年 S-0300- 84 p.650,
参考資料:
2 仏像レファレンス事典 日外アソシエーツ株式会社∥編 日外アソシエーツ 2009年 R-7180-ニ,
参考資料:
3 近江文化財全集 下巻 近江史跡会∥編集 近江史跡会 1974年 SB-7000-2,
↧