延暦寺は大津市坂本本町にあります。『滋賀県百科事典』によりますと、概要は「最澄は788年(延暦7)比叡山寺を創建し、薬師如来をまつる仏堂と、その左右に経蔵と文殊堂をたてた。第5世座主円珍の時に3堂を1堂にまとめ、887年(仁和3)「九間四面正面孫庇(まごひさし)」の堂が完成した。その後焼失再建3回におよび、さらに1571年(元亀2)織田信長の叡山焼討ちで全焼。豊臣秀吉の援助により1584年(天正12)再建に着手、5年後完成した堂は1630年(寛永7)大風で?倒したことが『天台座主記』にみえる。徳川家光の命によって1634年(寛永11)再建に着手し、6年後に完成したのが現在の根本中堂である。正面の柱間数11間で37.6m、側面6間23.93m、高さ約24.3mで県下最大の木造建築である。正面から奥行2間を外陣として高い床を張り、その奥の内陣は石敷きの土間で、基壇を築いて厨子(ずし)を安置する。これは、天台寺院本堂の基本的形式をつたえるもので、全体に和様を主調とし、外回りの柱上組物は三手先(みてさき)で深い軒をささえ、そのあいだにいれた蟇股(かえるまた)や、彫刻欄間、天井絵などは極彩色で華麗。内部の蟇股の形は古式をやぶった飛躍をしめしている。国宝。(成瀬弘明)」とあります。
参考資料: 1 滋賀県百科事典 滋賀県百科事典刊行会∥編 大和書房 1984年 S-0300- 84 p.78-79,
参考資料:
2 大津の文化財 大津市教育委員会∥編集 大津市教育委員会 1998年 SB-7011- 98,
参考資料:
3 国宝大事典 5 建造物 講談社 1985年 R-7091-5,
参考資料:
4 近江文化財全集 上巻 近江史跡会∥編集 近江史跡会 1974年 SB-7000-1,
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