園城寺は大津市園城寺町にあります。『滋賀県百科事典』によりますと、概要は「智証大師円珍は讃岐国(さぬきのくに)(現 香川県)那珂郡金倉郷に生まれ、母は弘法大師空海の姪であった。15歳の時に比叡山に入山し、義真(初代の天台座主で最澄の弟子)の門弟となる。38歳入唐求法(にっとうぐほう)の旅にで、滞在すること5年、帰国すると園城寺をおこして天台宗別院とした。大師は中国から請来した多くの聖教類を比叡山山王院のほとりに後唐院(のちのとういん)とよばれる山坊をいとなみ、ここにおさめて子弟の育成につとめた。868年(貞観10)第5世の天台座主となり、891年(寛平3)10月没した。弟子たちは大師の影像2?をつくり、1を比叡山山王院の後唐院に安置した。この像がこの智証大師坐像である。10世紀の終わりごろ慈覚大師門流と智証大師門流の勢力争いのため、智証大師門流の僧は993年(正暦4)大師像を比叡山からおろして園城寺の大師堂に安置し、比叡山から離れて園城寺を本拠として天台宗寺門派を主張するようになる。大師像は「中尊大師」と呼ばれ、大師の風貌の特徴をよく表現している。(中略)目は瞑想して禅定印をむすび、彩色をほどこした像で平安前半肖像彫刻の貴重な遺宝である。国宝。(宇野茂樹)」とあります。
参考資料: 1 滋賀県百科事典 滋賀県百科事典刊行会∥編 大和書房 1984年 S-0300- 84 p.139-140,
参考資料:
2 大津の文化財 大津市教育委員会∥編集 大津市教育委員会 1998年 SB-7011- 98,
参考資料:
3 国宝大事典 2 彫刻 講談社 1985年 R-7091-2,
↧