『滋賀県百科事典』によりますと、概要は「井伊家に伝来する刀剣の中に、「国宗」と銘を刻む太刀が2口(ふり)保存されている。1口は伯耆国宗、もう1口が備前三郎国宗で、ともに鎌倉時代の作。作風は伯耆国宗が備前三郎のようなはなやかな匂(におい)できの丁子乱れでなく、沸(にえ)づいた小乱れ刃で、鍛えも少し荒びた感じがする。また銘振りは、両工とも似かよっているが、いくらか伯耆国宗のほうが丸味をおび、鏨運(たがねはこ)びが相違している。作期にも差があって、伯耆国宗には古調がある。同家の記録によると、伯耆国宗は第12代藩主井伊掃部頭直亮の差料、備前三郎国宗のほうは、家臣が相州小田原の陣で一番槍の褒賞として藩祖井伊直政より拝領したものを後に子孫が遺物として藩主に届けたものである。重要文化財。(稲田和彦)」とあります。
参考資料: 1 滋賀県百科事典 滋賀県百科事典刊行会∥編 大和書房 1984年 S-0300- 84 p.24,
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