草津宿は草津市草津一丁目にあります。『滋賀県百科事典』によりますと、概要は「(前略)草津宿は東海道、中山道の分岐点で交通の要衝。大名など貴人用の旅宿として本陣2軒、脇本陣2軒が存在していた。そのうち田中七左衛門本陣は建物が現存し、国の史跡に指定されている。現在の建物は、1718年(享保3)に類焼後、膳所藩の瓦が浜御殿を拝領して移築したもの。一部改造されているが、よく旧状をつたえている。敷地面積約4300㎡、問口約26m、建物面積約1540㎡、畳敷部屋数39室で本陣として最大クラスに属する。構造は書院造で、表門、御除門(およけもん)、敷台のある玄関、上段の間などがある。また敷地の南側には川、西および北側には二重の堀があり防御の役目をはたしていた。建物のほかに交通関係資料として、大名などが休泊のさい、入り口に掲げた多数の関札、草津川の渡しにもちいた輦台(れんだい)、1692年(元禄5)から1872年(明治5)までの181冊にのぼる宿帳など貴重なものが数多くのこっている。(中略)1870年(明治3)本陣廃止後、建物は郡役所や公民館としても利用されてきた。(江竜喜之)」とあります。なお、文中の「問口約26m」は「間口約26m」の誤植と思われます。
参考資料: 1 滋賀県百科事典 滋賀県百科事典刊行会∥編 大和書房 1984年 S-0300- 84 p.217-218,
参考資料:
2 近江文化財全集 上巻 近江史跡会∥編集 近江史跡会 1974年 SB-7000-1,
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