真宗大谷派大津別院は大津市中央二丁目にあります。『滋賀県百科事典』によりますと、概要は「(前略)東本願寺が分立する気運が生じたころ、1600年(慶長5)教如が造営に着手し、本堂は翌年完成したと伝えるが、規模などはあきらかでない。現在の本堂は1649年(慶安2)の再建で、東向きにたち、最奥の中央間に阿弥陀如来像をまつり、その左右に余間を配し、それら室の前面は84畳敷の大きな部屋で参詣者の場となる。さらにその前に床板張りの入側と縁をもうけ、南側と北側は縁までとりこんで部屋とした真宗的な建物である。平面規模はこれらの部屋を含めて正面の全長21.6m、奥行24.2m、棟高14.8m。内陣正面は遠忌のさいに再々模様替えをうけたが、余間正面は1971年(昭和46)解体修理時に襖引違に復原されて古式をのこている。書院は1662年(寛文2)に地震で倒壊し、現在の形に再建されたもので、上段の間天袋板に1671年(寛文11)の墨書があった。この書院は(中略)小さな中庭の正面に広縁と18畳に床と仏壇をもうけた対面の間、その左右に8畳間が3室宛ならび、南西の隅が上段の間で床、棚および書院をつけている。この間の折上格天井(おりあげごうてんじょう)とその東につづく2室の格天井は1765年(明和2)の改造で、それ以前はすべて棹縁(さおぶち)天井であった。なお北側の東端の間には1971年(昭和46)解体修理時に丸炉と袋棚が復元された。いずれも重要文化財。(成瀬弘明)」とあります。
参考資料: 1 滋賀県百科事典 滋賀県百科事典刊行会∥編 大和書房 1984年 S-0300- 84 p.114,
参考資料:
2 大津の文化財 大津市教育委員会∥編集 大津市教育委員会 1998年 SB-7011- 98,
参考資料:
3 近江文化財全集 上巻 近江史跡会∥編集 近江史跡会 1974年 SB-7000-1,
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