延暦寺は大津市坂本本町にあります。『滋賀県百科事典』によりますと、概要は「六祖恵能の伝記をかいた書物である。恵能は中国天台宗の第6祖、儀鳳年間(7世紀後半)韶陽の曹渓にあって中国天台の興隆につとめた高僧で、曹渓大師ともよばれている。彼の伝記は、『宋高僧伝』や『景徳伝燈録』にもおさめられてる。この書の巻末には、「貞元十九年(803)二月十三日畢」とあり、これはおそらく書写時期をしめす奥書と解せられることから、9世紀初頭の写本である。恵能が没したのが713年(唐先天2)で、彼の伝記は没後数十年に成立したといわれており、この書は恵能伝の成立時期にきわめてちかい古写本といえる。紙背には「比叡寺印」および「延暦寺印」(823年延暦寺と改称)が捺され、紙の継ぎ目には最澄の自署検封をしめす「澄封」と墨書されている。804年(延暦23)最澄は、還学生として遺唐使に隋行して入唐(にっとう)するが、そのおりに収集した仏典・法具類をかきあげた『伝教大師将来目録』のなかに、この書の名がみられる。(中略)国宝。(土井通弘)」とあります
参考資料: 1 滋賀県百科事典 滋賀県百科事典刊行会∥編 大和書房 1984年 S-0300- 84 P.82,
参考資料:
2 大津の文化財 大津市教育委員会∥編集 大津市教育委員会 1998年 SB-7011- 98,
参考資料:
3 国宝大事典 3 書跡・典籍 講談社 1986年 R-7091-3,
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