草双紙(くさぞうし) Yahoo!百科事典[日本大百科全書(小学館)]
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E8%8D%89%E5%8F%8C%E7%B4%99/ (2013/02/18確認)
江戸時代の小説の一ジャンル。江戸特有の挿絵入り仮名書き小説で、寛文(かんぶん)末年(17世紀後半)ごろに刊行され始めた幼童向けの絵本である赤本を初めとして、黒本、青本、黄表紙、合巻(ごうかん)という順序で展開し、明治10年代(1877~86)まで出版され続けた絵双紙の総称。江戸時代のもっとも通俗的な小説の一つで、「草」は似て非なるもの、本格的でないものというほどの意を表す卑称である。判型の多くは中本型(四六判。縦約18センチメートル、横13センチメートル)で、1冊5丁(10ページ)よりなり、1~3冊からなるが、合巻には100冊に及ぶ大部なものも数多い。赤本、青本、黄表紙などの呼び名は表紙の色によるもので、合巻はそれらが長編化し、数冊が合綴(がってつ)されるようになったがための呼び名であったが、またそれらはそれぞれに独自の内容的特徴をもっていたので、今日ではそれらの文芸のもつ特質をもその名でよんでいる。・・・
参考文献
石田元季著『草双紙のいろいろ』(1928・南宋書院)『草双紙と読本の研究』(『水谷不倒著作集2』所収・1973・中央公論社)『草双紙』(『岩崎文庫貴重本叢刊』所収・1974・同書刊行会)
草双紙【くさぞうし】 コトバンク
http://kotobank.jp/word/%E8%8D%89%E5%8F%8C%E7%B4%99 (2013/02/02確認)
くさぞうし【草双紙】 国史大辞典
江戸時代中期から後期へかけて、江戸で刊行された大衆的絵入小説の一体。通常毎頁挿絵があり、これが主体となってその周囲をほとんどひらがな書きの本文が埋め、画文が有機的な関連を保ちつつ筋を運ぶ様式をとる。体裁は美濃紙半截(せつ)二つ折り、五丁一冊を単位とし、二、三冊で一編を成す。後代は五、六冊一編様式に進み、さらにのちには年々続く長編様式に発展する。表紙色と内容の変化とがほぼ呼応して、赤本・黒本・青本・黄表紙と進展し、ついで装幀の変革を伴って合巻(ごうかん)に展開、明治中期まで制作された。・・・
[参考文献]石田元季『草双紙のいろいろ』、麻生磯次『近世小説』(『日本文学教養講座』九)、水谷弓彦『草双紙と読本の研究』(『水谷不倒著作集』二)、小池藤五郎「江戸草紙(草双紙)」(麻生磯次編『(増補新版)日本文学史』近世所収)
参考資料:木村八重子 著. 草双紙の世界 : 江戸の出版文化. ぺりかん社, 2009.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010367668-00, 9784831512291
参考資料:叢の会 編. 草双紙事典. 東京堂出版, 2006.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008262416-00, 4490106939
参考資料:佐竹昭広 [ほか]編. 新日本古典文学大系 83. 草双紙集 岩波書店, 1997.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002665031-00, 4002400832
参考資料:井上宗雄 [ほか]編. 日本古典籍書誌学辞典. 岩波書店, 1999.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002764402-00, 4000800922
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